工場勤務から介護業界へ転職!会社倒産のドン底から見つけた天職

工場勤務から介護業界へ転職!会社倒産のドン底から見つけた天職

私は高校を卒業後、半導体製造工場に勤めていましたが、今から9年前に半導体製造業から介護業界に転職しました。

 

完全に畑違いの業界でしたが、倒産とスポーツがきっかけで介護の世界に飛び込むことに…。

 

正直、自分には全く別の世界の話で「一生関わることのなんてないだろうなぁ」と思っていた業界でした。

いざ、介護士になってみると

しかし、病院での看護助手を皮切りに訪問介護でヘルパーとサービス提供責任者を経験し、介護老人保健施設やショートステイでも勤務。

 

介護の仕事を始めて10年近く経ちますが、今でも介護の仕事を続けています。正直、自分にとっては天職だったみたいです。

 

現在は地元に戻り、介護施設で勤務しています。今後は地域の介護力に少しでも貢献したいと考えて、もう一度訪問介護に挑戦してみようかとも考えています。

 

コロナ禍で介護業界に転職しようと考えている方の参考になれば幸いです。

工場勤務から介護業界へ転職することになった理由

今ではどっぷり介護業界に入っている私ですが、転職に至った原因は何か辛いことがあったなどという理由ではなく「会社の倒産」でした。

 

逆にそういった原因があったおかげで違った業種を知ることが出来ましたし、何かきっかけがないとやってみようと思わなかった介護の仕事に携われたと思います。

突然訪れた人生の転機

転職を考え始めたのは社会人2年目の時。周りの同僚たちは仕事を任せられているのに、私だけ毎日ずーっと入社1年目と変わらない仕事をしていました。

 

自分でも分かるほどモチベーションは下がり続け、「こんなつまらない毎日嫌だなぁ…」と通勤中のバスの中で転職サイトを眺める毎日。

 

「学生時代からずっとやっていた野球関係の仕事が無いかな?」と思っていた中で気になる求人はあったのですが、一歩踏み出す事はできず。

 

そんな、毎日を過ごした私はある日突然「会社の倒産」を迎えました。

やるしかない…が良かった

「やるしかない」文字通りそんな状況に追いやられた私は本格的に転職活動を始めました。

 

履歴書を送る会社は1社と決めていましたので、それからは凄く早かったです。

 

面接でも介護の仕事はやったことはないと正直に伝えました。すると逆に、介護の資格取得支援についても詳しく聞くことが出来ました。

家族には言えなかった転職活動

ただ、この転職活動については会社の同僚にも家族にも秘密で行っていました。面接の日も家族には「旅行に行く」と伝えて出かけました。

 

当時の私は「会社が倒産したから介護職になる」なんて、どうしても言い出せなかった…。

 

しかし、さすがに採用されてからは内緒にしておくことは出来ません。

 

当然、今まで隠していた事を全て話すと、怒られましたが今ではそれも良い思い出です。

工場勤務から介護業界へ転職した時の話

最初に転職したのは、介護系人材派遣会社です。病院内での看護助手業務。

 

「看護助手」とは言ってもほとんどが入院患者の身体介助や生活介助。私は初めての介護で入院患者に恐る恐る触るという感じでした。

 

相手は高齢の入院患者で先輩介護士からは「簡単に骨折する」や「触っただけで痛がる」などの脅迫気味のアドバイスを受けていました。

慣れるまでは辛かった排泄の介助

この病院勤務で一番最初に辛いと思ったのは「オムツ交換」です。

 

初めて介護をする人にとっては「オムツ交換」が1番の難関だと思います。

 

私も臭いに慣れるまでかなり時間掛かりましたし、通勤中も「臭いがついてるんじゃないか」と心配でした。

体力的にキツイ入浴介助

次が「入浴介助」です。これこそ「ザ・肉体労働」だと思います。特に夏時期は大変で脱水症状を起こすことが何度もありました。

 

入浴介助は慣れるよりも「如何に短時間で全員を入浴させるか」がカギとなっていました。

 

転職する前は若かったこともあり休みの日に寝て過ごすのは勿体ない!と思っていましたが、介護の仕事を始めてから休みの日はほとんど寝て過ごしていました。

 

それだけしんどい仕事なんだと身をもって知りました。

訪問に転職後はそこでの経験が活きた

その後は、訪問介護事業所でヘルパーとして働き始めました。病院での介護業務とは違い、利用者の自宅へ赴き「1対1」での介護となります。

 

現場には私1人しかいないので助けてくれるような人はいません。そんな状況を同僚のアドバイスや自分自身での経験を武器になんとか乗り越えてました。

 

1対1でのサービス何が起こるか分からないので、「訪問先で何かあったらどうしよう…」と毎日ビクビクしていました。

工場勤務から介護業界へ転職したら良くも悪くも想像と違った

転職した時の以前勤めていた工場に比べて介護の仕事は身体的にも精神的にも辛い場面が多くなった気がしました。

 

給料もそれなりに貰えれば・・・と思ったのですが、前職に比べると低く、生活が苦しい思いをしたこともあります。

 

特に最初は「病院勤務なので大掛かりな介護は要らないだろう」と楽観していたら、療養型病棟の上に高齢患者がメインだったのでかなりの体力が必要でした。

 

また、その後に勤めた訪問介護では、なかなかこちらの言うことを聞いてくれない利用者が多く、どうやったら上手く伝わるのか試行錯誤し精神的に参ってしまうことも…。

 

介護の仕事を始める時に期待していた「おじいちゃんおばあちゃんと楽しくお話しできる」という体験はほとんど出来ませんでした。

それでもこの業界にハマった理由

ただ、期待を大きく裏切ったことがありました。それは「ありがとう」です。

 

普段、気難しくて対応に困るような利用者に突然「ありがとう」と言われると、凄く嬉しい気持ちになった事は、今でも忘れる事ができません。

 

これは良い意味で期待を裏切った行為だと思います。

今だからこそ介護士への転職はおススメできない

私個人の意見としては、他人に介護の仕事を勧めたいとは思いません。

 

今現在も介護業界に身を置く人間としては、軽い気持ちで介護に携わって欲しくないからです。

 

介護の世界は常に人手不足です。半端な気持ちで足を踏み入れて「思っていたのと違った」と簡単に辞められると他の介護士にシワ寄せが来てしまいます。

 

当然やってみないと分からない事も多いですが、「誰にでも勧められるか?」と言えば私はNOだと答えます。

介護士への転職に向ている人は?

個人的な意見ですが、介護の仕事に向いている人のポイントは3つあると思っています。

 

1.適応能力のある人

介護の現場は常に変化しますし、高齢者の状態も変わります。

 

昨日までの介護方針は今日は少し変わっていたり、全く違っていたり。マニュアル通りにしか介護が出来ない人には厳しいかもしれません。

2.観察力のある人

先ほどもお話した通り高齢者の状態は日々変化するので、観察する力がある人も向いていると思います。

 

身体介助時に見つかる些細な変化や食事の摂取量など、介護中には思った以上に多くの情報を入手することができ、それを介護士の間で情報共有することができます。

 

マニュアル通りに、決められたことにしか目の行かない人では、そういった情報を見落とし、情報共有を行うことが出来なくなると思います。

3.向上心のある人

これについては個人の自由なのですが、向上心がある人はどんどん伸びる業界だと思います。

 

介護の世界の登竜門は「介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)」ですが、それ以降には「実務者研修」や「介護福祉士」と続いていきますし、派生して障害者支援系の資格もあります。

 

高齢者ばかりだと思われがちな業界ですが、そういった幅広いジャンルでの資格を取得していくことによって評価も上がっていきます。

 

介護業界での評価は「給料」に直結することがあるので資格は取得していった方がいいと思います。

施設によって条件は全く違うので要注意

ただし、全ての事業所が同じような評価をしている訳ではないです。

 

それに、資格を持っている・新たに取得したからといって給料に反映されるとは限りません。

 

その辺りについては、就職する前にしっかり調べておいた方が良いと思います。

工場勤務から介護業界へ転職して結果的に良かった

高校を卒業してから仕事をやり始めて、介護業界は私にとっては「全く別の世界の話」で「一生関わることのない世界」だと勝手に決めつけていました。

 

ニュースで「2025年問題」も勝手に国が解決するものと思っていましたし、家族の介護も何も考えていませんでした。

 

しかし、こうやって介護業界に転職してからは今まで見えなかった、見ようとしなかった部分を見えて体験して、今では介護の仕事が楽しいと思うようになりました。

続けられる理由は「仕事の成果」と「感謝」

変な例えですが、前職での工場勤務では、完成した製品を見たことがありません。どんな物を作っているのか分かりませんでした。

 

しかし、今介護の世界に身を置いてオムツ交換をしたり食事介助をしたりすることによって「自分の仕事の成果」を目にすることができました。初めての体験です。

 

確かに毎日身体はしんどいです。「なんで自分がこんな仕事を・・・」と思う時が今でもあります。それでも利用者の「ありがとう」という言葉に気持ちが楽になったり、救われることだってありました。

 

「もっと早くから介護に関わっていれば・・・」とは正直思いませんが、成り行きとは言え、介護の仕事に携われて良かったと思っています。