介護業界は終わってる…病気で資格取得を辞退した職員への一言

介護業界は終わってる…病気で資格取得を辞退した職員への一言

重度の知的障害・精神障害を持つ方の支援・介護をする事業所で、9か月前に起こった話。

 

現在は配置転換され、身体への負担が比較的少ない日中に送迎で通所する利用者さんの生活の場で働いています。

 

利用者さんと関わるのは好きでその気持ちはずっと変わりませんが、今回の体験によって会社に貢献したいとは微塵も思えなくなりました。

 

また会社に思い入れが無くなったので、条件が良くて自分に向いている他の会社や仕事がもしあったらすぐにでも転職したい気持ちで一杯です。

この記事を読んでもらいたい人

福祉の業界に夢や理想を持っていて現実を知らない方に読んでほしいです。

 

この業界に入ってくる人は他者貢献がしたいという気持ちが強い方が多くいらっしゃるように感じます。

 

しかし、そのような方がこの業界に入ってくると「利用者さんのため」という名目で会社に搾取されてしまう確率が高くなると私は思っています。

 

そんな悲しい結果にならないよう正しい現実も知っていただき、納得した上でこの仕事を選んでほしいと強く思っています。

介護業界は終わってると思ったできごと

9か月前、私は会社から資格取得の講座受講を言い渡されましたが、たまたま同時期にわずかですが死亡例もある珍しい持病が発覚。

 

病院への受診を含めた対処の為、今回の講座は次のタイミングにずらしていただくよう会社へお願いしました。

 

私としては資格手当がいただけるという理由もあり受講したいと思っていましたが、突然発覚した自分の持病への不安は強くなるばかり。

 

これから先の自分の人生において、「ずっと付き合っていかなければならないこの持病との付き合い方を知りたい」

 

そんな意味でゆっくり、しっかりと病院に通いたい。

 

並行して資格取得の為の講座を長期間受け続けることは、時間的余裕の面で難しいと丁寧に会社側に説明しました。

会社からは驚愕の反応

ですが、会社側は全く聞く耳を持ってもらえなかった状態。

 

むしろ「資格取得の世話をしてやったのに断るとは何事だ」と背信行為と受け取られました。

 

それまでに支援で忙しい時間中に会社側の都合で突然呼び出されたにも関わらず、3回も丁寧に病状の説明を行ったのに…。

 

十分に説明を繰り返しその結果わかってくれた態度を見せてくれていたのに…。

 

それ以外にも何回も訴えましたが、最後には会社への貢献を優先されそのことを理由に評価を下げる旨の通達がありました。

そもそも必須の資格ですらない

またその資格も、現場に絶対必要なものではない上に知識としてあまり活かせるもののない資格。

 

「会社に箔を付ける」為にスタッフに取らせているとしか思えず、仕事もプライベートも忙しい私たちスタッフの負担になっているように見えました。

 

そのように自身の健康面の不安より会社への貢献を優先されたことで

 

「ああ、この会社は従業員の気持ちを汲み取ってくれないんだな」

 

「今まで自分は会社に貢献してきたけど、意味が無かったんだな」

 

と感じ、会社への不信感・会社へ貢献する気持ちが非常に薄くなりました。

 

現在も全く納得がいっておらず、スタッフのことを考える配慮がない会社なのだと失望する事件となりました。

終わっていると気づいた後の行動

 

それがあってからは自身の心身を保つことを最優先に、裏で適度に手を抜きながら仕事をすることを心がけています。

 

またいつでも辞めることになってもいいように準備だけはするようにしています。

 

もちろん利用者さんに不利益になるようなことには絶対にならないようにはしていて、幸福や安楽な日常を送っていただくことはこれまで以上に心がけ続けています。

自分のために仕事をするようになった

会社には貢献しても何も返してくれない・仕事が増えるだけだという事実が判明しています。

 

なので、「やらなければならないこと」だけはしっかりと取り組む一方で、不必要に仕事を増やすようなことはせず、新しいことにも挑戦することは控えました。

 

また周囲への愛想や礼儀は怠らず、信用は勝ち取ったうえで上手く周囲に仕事を振っています。

 

「嫌」だと感じることなく人に動いてもらう術を身に着けることで、仕事を肩代わりしてもらい自分が楽になるような行動を続けました。

会社側は良いように勘違いしている

結果的に現在は会社からも周囲のスタッフからも高い評価を得られてしまっています。

 

会社からは「以前自分たちに歯向かったことがあるが今は心を入れ替えて頑張っている」

 

「仕事を振ればそつなくこなしてくれる」「振った仕事に対する責任感が強い」「周囲に礼儀正しい」

 

そして周囲のスタッフからは「人当たりが良い」「優しい」「仕事を教えるのが上手い」

 

「リーダーの役目をやってほしい」等の信用を集めてしまいました。

 

また、たまたま空いていた、身体への負担が少ない別部署のポジションへの配置転換も勝ち取ることができ、現在はのんびりと仕事ができています。

介護業界は終わってる体験をした私が思う向いている人

「利用者さんの力になりたい・貢献したい」という強い思いが前提にありつつ、自分の仕事を自分で調整できる人は向いていると思います。

 

この仕事や業界に入ってくる人は基本的に良い人が多くいるのですが、会社・上司・同僚に言われて頑張りすぎてしまう人も多くいる印象です。

(自分の利益よりも他者を尊重・優先してしまう人ですね。)

 

ですが、そんな良い人を食い物にする人がいることもこの業界の現実です。

やりがい搾取されないように!

会社がより儲けるために利用者さんを増やして労働量を課そうとしてくる経営者サイドの人間。

 

面倒な特性を持つ利用者さん(他害があって一緒にいると痛い目にあわされてしまう同僚。

 

涎や体液・体臭などまき散らす、頑固など性格的に難しい方の支援を押し付ける事なんて日常茶飯事。

 

そのような現実がある中であっても、自分で自分の状況を管理して、自分に入ってくる仕事を調整できる人がこの仕事に向いていると私は思います。

正直者が損をする

逆にそれができないと、過度に仕事を抱えすぎて疲労がたまったり心身に異常が出てくることがあります。

 

どんな良い人でも身体の限界は来るので、自分の仕事を自分で管理できないといずれくじけてしまいますよね。

 

奉仕の心だけ持っているだけでは、この仕事を続けていくことは難しいのが現実です。

驚愕の体験で人間関係を見つめ直した

介護業界のブラック体験談というテーマで書かせていただいて思ったことが1つ。

 

介護そのものはとても素晴らしい仕事ですが、それに携わる人間と人間関係には注意が必要ということです。

 

ブラック体験談を書かせてはいただきましたが、私は介護業界に来ない方が良いとは言いません。

大変な中でこそ得られるやりがいもある

確かに障害を持つ利用者さんの支援というのは体力的にも重労働。

 

そして、コミュニケーションが難しい方ばかりなので、気持ちを汲み取って意思を理解するということはとても困難。

 

ですが、彼ら彼女らの笑顔を毎日そばで見ることができることは支援をしている私たちをも笑顔にさせてくれます。

 

そして自分たちが支援をした結果利用者さんが笑顔になったくれることはとてつもないやりがいに繋がります。

 

言い換えれば心の満足にもなっていくので、それにハマってしまう人はとてもたくさんいます。

 

実際に私の職場では10年以上勤務していて「退職を考えたことがない!」「この仕事が楽しすぎる!」と言う同僚もいます。

そのやりがいを上手く利用されないように

ですが現実に、会社・職場に精神的・肉体的に搾取され、低い賃金で働かされている人たちがこの業界にはたくさんいます。

 

この文章を読んでいる方がもし介護業界で働くことを希望しているなら、どうか周囲に搾取されるだけにはならないで下さい。

 

自分のことを第一に考えなおかつ自分が関わる利用者さんのことも考えられる。

 

そんな支援員になっていただけると私としては嬉しく思います。

 

そして願わくば、いつの日か一緒に仕事ができる日が来ることを心から待ち望んでいます。

 

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。