介護施設の買い物代行に驚愕!休日に?しかも交通費は自腹?
8年程前に勤めていた特別養護老人ホームでの体験談です。今は同じ福祉ですが障害者支援の現場で働いています。
介護の現場と比べると精神的にも肉体的にもかなり楽になっています
当時は仕事とプライベートの境目が一切なく、体調不良や睡眠障害を繰り返していました。
今の働き方が普通だと思わないで
介護の現場ではこのような施設が現在でも数多くあります。自分と同じような体験をしている人の救いになれば嬉しいです。
そして今体調がよくない方には、自分が必死になって頑張っているのはおかしい事。
自分たちだけではなく多くの人が同じ思いをして悩まれている。
それらを理解して、改善に向けた施設への働きかけや転職などの行動に移してほしいです。
介護施設の買い物代行に驚愕!驚きの制度
今回体験したブラックな事は利用者の買い物代行です。
介護施設なので、オムツやお尻ふきなどの衛生用品は必需品になるため施設が業者に発注して買い物をしています。
しかし、利用者が個人で購入されている例えば本や衣類、お菓子などの嗜好品は当時の施設ではかなり自由でしたので購入することが出来ます。
多くの方がご家族が購入され持って来られるのですが、中には身寄りのない方やご家族が遠方に住まわれている方は施設が代行して買い物に行きます。
その買い物代行がヤバい…
利用者が基本自由に買い物をして良いというのもヤバいですが、もっとヤバいのはこの代行でそもそも仕事中に行くことが出来ません。
仕事は仕事としてあるので、買い物に行くのは仕事終わりの完全なプライベートの時間になります。
そのうえ業務中では無いので自家用車を使わざるを得ず、買い物も仕事終わりや休みの日に買いに行かされます。
中には近場では手に入らず片道1時間をかけて買いに行かされたこともあります。
それに対し報酬があるのであれば構わないのですが、施設は利用者から買い物代行費として請求します。
本来であれば施設は買い物代行にはなにも手間をかけていないので職員に還元されるのは普通に思えます。
しかし「それは出来ない」というのが施設の考えでありその状態が先輩職員曰く数十年続いているようでした。
イベントの時はさらに負担が増える
そしてとっておきはクリスマスです。プレゼントを利用者の方に送るのですが、利用者様に欲しい物を事前に聞き買いに行きます。
ただ普段の買い物と違い近場で手に入るものではなく、県外まで行かないと手に入らない物。
そもそも何処に売っているのか分からないものまであり、探すのに普通に休日丸一日を要することも珍しくありませんでした。
イベントにかかる費用は全て…
さらにはクリスマス会にて利用者様を喜ばせるためのイベント費用は全て職員の自腹。
例えば職員がサンタクロースの恰好をして歌を歌ったり、マジックをしたり。
演奏をするなど様々なイベントを考えて実施しますが、それらに掛かる費用は職員負担になります。
施設に支払いをお願いしたことがあるのですが、「君たちが考えたことなのだから施設が払う必要はない」と言われました。
そのため施設にあるもので計画すると、「昨年と同じではないか利用者様を楽しませる気持ちは無いのか!」と叱責され自分たちでお金を出し合って購入していました。
介護施設の買い物代行問題を解決するために
まず上司に「業務時間外で仕事をして報酬も無いではサービス残業ではないのか?」と質問。
「今までそれでやってきたことだし、買い物なんて帰り道ですれば良いだけで目くじら立てるほどではない」と返されました。
自分だけがおかしいと感じるのかと思い他職員に聞きますが、全員が同じ意見であり職員会などで度々問題となっていますが何ら解決に至っていません。
何とか業務時間内に買い物へ
何とか業務時間内で買い物に行けれるように上司に申告し、実際に買い物外出として業務時間内に行ったことがあります。
しかし、上司曰く「業務時間内は利用者様のお世話をするのが貴方たちの仕事だから」と言われて、利用者を2名ほど連れて付き添いと言う形で買い物に行くことになりました。
当然ですが利用者自身の買い物をされたり、好き勝手に歩かれるので思い通りの買い物は出来ず…。
やっと落ち着いたかと思えばトイレや水分補給などで結局食事の時間になり、何も買えずに戻る悲惨な目にあいました。
上司に「利用者を連れて行くのは無理だから、一人で行かせてほしい」説得。
しかし、「貴方は良いかもしれないが、その分他の職員の負担になってしまう。他の職員が大変な思いをしてもよいの?」と言われ何も言い返せませんでした。
次は配達を依頼
何とかこの現状を打破しようと、次に職員たちで思いついたのは近隣の個人商店や業者さんからの配達。
自分たちで連絡をして「施設へ配達してくれないだろうか?」とお願い。
すると相手側も二つ返事でOK!「やっと苦痛から解放される!」しかし喜び合っていたのも束の間。
すぐに施設側からストップがかかる事に。しかも、この時の理由はとんでもない内容でした。
利用者のお金はできるだけ節約せよ
「この歯磨き粉は君たちの選んだお店で買うと200円するが、ここのお店で買うと50円も安くなる!利用者のお金をなんだと思っているのか!」
上司から真顔で怒鳴られました。しかも150円で買えるお店は、施設から往復40分も掛かる場所にあるドラッグストア。
「たかが50円のためになんでそんな遠方まで行かなければならないのか?」と不満が続出。
しかし、施設長はこの上司の考えを擁護し「出来る限り安いお店を探して購入しに行くようにと」ルールが作られました。
結局、お店を探す作業が増えた
ただそのお店を探すのも私たちなので、結果として買い物に行く工程が増え仕事が増えてしまいました。
この施設の求人には残業月5時間以下と書かれており、仕事とプライベートの両立が出来ると思い応募しました。
しかし、サービス残業だけで月30時間以上働いていたこともあります。
そこに買い物代行のガソリン代や高速代も負担しないといけないので、たまったものではありません。
最終的に自分は退職しましたが、今その施設を調べると未だに運営中。
口コミサイトでは同様に「時間外で買い物を強要される」という意見が殆どでした。
普通じゃないブラック体験をしたからこそ伝えたい事
ボランティア精神と言いますか、お金や自分の事よりも他者を幸せにしようと考える人に向いていると思います。
介護の仕事は給料が安いと昔から言われています。
様々な制度により昔と比べるとだいぶ改善されていますが、それでも一般企業と比べると少ないです。
そのため給料を貰えることを楽しみにしていたら身体も心も持ちません。
それ以外を求めている人にはおススメ
利用者様の笑顔や楽しまれている姿を見て「満足できる」「心が満たされる」と感じるのであれば大抵の事は乗り越えられると思います。
昔サービス残業を含め自分の時給を計算したことがありますが、とんでもない金額になったのを覚えています。
給料をはじめ待遇面を期待されておらず、別の楽しみを見つけられている方におススメの仕事と言えます。
この業界で働かない方が良い人も
逆にプライベートの時間や給料などの待遇面を気にされる方はこの仕事が向いていません。
利用者様の体調不良等により夜間や休みの日に呼び出されることなんて珍しくありませんし、休みの日に電話が鳴ることも良くあります。
台風の時期なんて避難情報が出れば何時でも避難できるように施設で待機。
「自宅にいても直ぐに電話に出られるようにしておいて」と言われることも珍しくありません。
しかし今勤めている施設でもそうですが、そういったプライベートの時間や待遇面を気にされる方は非常に増えています。
今までの横柄なやり方を改めて、働き方改革を進めている施設さんも多いと聞きます。
私たちのような昔の考えの職員ばかりでは施設を成長させるため、人材育成の観点からもいるべきではないのかもしれません。
理不尽な介護施設の買い物代行を受け入れるな!
私自身、介護の仕事は未経験であり入社当初は色々と不安なことがありました。
相手は高齢者ですので、「急な体調の変化で亡くなられたり、転倒して大怪我されたりしたら夜勤は一人で大丈夫だろうか?」と心配になっていました。
それがまさか買い物で仕事が嫌になり、辞めてしまうとは考えもしませんでした。
おかしいと思ったら受け入れない
介護施設はどうしてもその特性上、閉鎖的な空間になってしまいます。
そのため考え方も一般企業と比べると、古い体質でありおかしいと感じることが多々あります。
確かに昔からの流れを変えるのは大変な事ですが、そのままでは人材不足や離職率の高さに繋がってしまいます。
おかしいと感じたら施設のため、なによりも利用者様の生活を充実してもらうためにも声に出し行動していってください。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。