医療系の職業として男性におすすめ!介護職の新しい可能性

医療系の職業として男性におすすめ!介護職の新しい可能性

転職を考えた5年ほど前の話です。前職の職場から合わせて介護業界で働き始め15年ほどになります。

 

前職は訪問入浴サービスと訪問介護が併設した事業者で働いており、5年前に現在の看護小規模多機能型居宅介護に転職しました。

 

日勤、夜勤で働きながら妻、子供2人の4人で暮らしています。

同じように医療に興味がある介護士へ

「医療には興味があるけど、色々な理由で看護師になれない」

 

「介護の仕事をしているけど、医療の現場に興味がある」

 

常に看護師や主治医などの医療の方と仕事をしているという話なので、こんな気持ちを抱えている方に読んでいただけると幸いです。

 

また、まだまだ看護小規模多機能は詳しく知られていませんので、次の転職先に「こんな場所もあるんだなぁ」と思っていただけたらと思います。

医療系の働き方を目指したキッカケは看護師

以前の職場も訪問入浴サービスだった私は、常に看護師と一緒の現場。

 

働く中で、褥瘡のことや気管切開・ALSの方で人工呼吸器をつけられた方など、様々な利用者の方と接する機会が多くありました。

 

当時は医療に対しての知識もほとんどなく、「看護師の知識ってすごいな」「在宅で暮らす方を支える看護の力ってすごいな」と感動。

 

そして自分自身もそういった職場で働くことで、医療にも興味が出てきました。

現実的には叶わない夢

当時は看護師を目指そうかと考えたこともありましたが、家庭のことを考えると少しハードルが高い。

 

2〜3年学校に通うことや金銭面などのことを考えると現実的でないと思い、自分が医療職になる夢は諦めるしかありませんでした。

 

「それなら、もっと医療に携われる仕事がしたい!」「資格が無理なら働く場所で何とかしよう!」と考えるように。

 

そんなキッカケで今よりさらに連携をとることが必要な職場へ転職をしようと思いました。

医療系の職業に近い場所だったけど…

確かに、以前の職場でスキルアップすることも考えました。

 

しかし職員の安定が難しく、普段の仕事をこなすだけで精一杯。

 

さらに、休みが取れないこともしばしばありました。

 

基本的には男性ヘルパー、女性ヘルパー、看護師の三人体制で動きますが、力仕事のためか女性ヘルパーが不足する時期も。

 

その当時は少ない時で休みが二週間に一度しか取れない時期があり、かなりきつい日々。

 

「いくら仕事とはいえ、このまま休みもなく働いててもいいのかなぁ…?」

 

スキルアップしたい自分には、お世辞にも向いている職場とは言えませんでした。

現場と事務は兼業

しかも、事務員がいなかったので現場と事務仕事は常に両立。

 

介護業界ではよくある話ですが、毎日毎日残業しても全ての時間が残業として認められる訳ではありません。

 

本社や他の支店から応援などをお願いしたくても、遠方だったので要請することすらできず。

 

日中は訪問入浴サービス。帰社後に片付けをして事務仕事。永遠にこれの繰り返し。

 

月末月初は実績報告やレセプトなどで日付が変わることもあり、気持ち的に仕事として充実していた部分もありましたが、プライベートも確保できず厳しい毎日でした。

不足する看護師

さらに看護師も常勤やパートの方などの定着が難しく、最終は派遣の看護師さんと行くことも。

 

訪問入浴が初めてだったり看護師になったばかりの方もいて、介護士が処置の内容を覚えて指示をだすことも多々ありました。

 

「正直、自分がここまでしなければいけないのか?」

 

自問自答しながらも、知識を得ることができるから良い機会だと自分に言い聞かせて前向きに乗り越えました。

経験が無い2人と現場へ行く事も

1番きついと思った日は私と、新人女性ヘルパー、派遣看護師という組み合わせ。

 

2人のフォローと利用者への声かけ、家族さんへの声かけなど全てを同時に行わなければいけないこともありました。

 

特に派遣看護師の場合は家族さんも初めて見る顔なので顔がこわばったり、ちゃんとできるのかなと不安な顔をされたりもします。

 

派遣の看護師と訪問するときは何とか安心して入浴できるようにしなければ思いました。

 

その日はうまく行けたとしても次の入浴日、またさらに次の入浴日と毎回違う看護師が来ることにも利用者さんな家族さんは不安になっていたようです。

思い切って医療系の職場へ!

大変な毎日だったという事もありますが、何より医療系の働き方が諦めきれず転職に踏み切ることに。

 

もともと現在の職場から数年前より声をかけていただいていたので、期待に応えないといけないプレッシャーもありましたが他の職場は頭にありませんでした。

 

職員が少ないので辞めにくい職場でしたが、営業所長が変わる時とほぼ同時期に退職をしました。

転職には少し後ろ向きな気持ちも

しかし、このまま転職せずに続けていくことで、さらに上のポジションも狙っていけるのではないかとも考えていました。

 

それに、新しい職場で人間関係などを1から築き上げていくこともかなり大変…。

 

「本当に転職してしまってもいいのか?」

 

「期待していたような仕事ができるのか?」

 

ですが、転職したいいう気持ちがあるならチャレンジした方が良いはずだ!と思い転職に踏み込みました。

介護士でも医療系の働き方を実現することができた!

転職をしてからは看護師との連携や医療処置の補助など、今までにない業務に携われて楽しくて仕方ありませんでした。

 

重度の方が大半を占める職場でないと、絶対にできない仕事内容。

 

「ここでしか経験できない、本当に勉強になる職場だ!」

以前の職場との違い

今までは利用者の方とは入浴サービスを行う時間のみしか接することがありませんでしたが、現在の職場では長い時間接することになります。

 

「その方がどのようにサービスを受けていけば良いのか?」医療の目線と介護の目線で話し合う機会も多いので、学べる内容は桁違いになりました。

 

また、看取りが必要となることもよくあるため、「その方の最後をどのように支援していくのか?」

 

家族さんの意向を聞き取ることもあるので、苦労や悩み事もありますが満足頂ける支援ができた時はとても充実した気持ちになりました。

 

確かに大尉変な事も増えましたが、自分にとって求めていた仕事ができているので、転職をしてよかったと思います。

業務量が減ってスキルが増えた

前の職場と比べて業務量はかなり軽減され、残業をすることはほとんど無くなりました。

 

その反面、看護師とともに仕事をすることで、医療の知識もさらに得られるように。

 

しかも、吸引や注入などの医療行為も多いので、実際に自分も資格を取って行えるようになりました。

 

また医療の知識は看護師には到底及びませんが、対等の立場として看護師と話をすることでより良いサービスが提供できるようになったと思います。

 

知識は及ばなくても、はっきりとその方のことを思い発言しなければ良いサービスができない。

 

介護には介護の目線でしっかり見ることが必要だと働きながら実感。

 

それが医療との連携になり、その方の支援に結びつけることができるんだと思いました。

医療系の職業を目指して転職をしてみて

新たな道を見つけたいと思う方であれば、ぜひ転職は勧めてみたいと思います。

 

職場に対しての不満などはどんな仕事をしても少なからずあるでしょう。

 

転職をすることで何か自分が得るものがあると思うのであれば、挑戦してみるべきだと思います。

逃げる転職はNG

ただ、できないことや嫌なことを避けるために転職をしたとしても、また転職先で似たようなことがまた出てきます。

 

私も以前はいやなことから逃げる事もよくありました。ただ、それだけでは前に進めないと思いました。

 

結果、この転職をキッカケに少しだけですが自分自身も変わることができたと思います。

介護士が向いている人

この仕事は「自立支援とは何か?」を考えることができる方が向いていると思います。

 

知識や技術はやっていくことでどんどん身についていきますが、考えることを怠ると良いサービスにつながりません。

 

また、よく優しい人が向いていると聞きますが、優しさだけではこの仕事はできないと私は思っています。

優しさだけでは相手もダメにする

自立をするためにはきついことでも本人や家族に伝えなければいけません。できることを甘えて何もしない方もいたりもします。

 

それを優しさと言うだけでやってしまうことで、どんどんやらなくなり、それができなくなってくることもあります。普段何気にしていることがリハビリになります。

 

やりたくない、甘えてやらないという方に対してどうすればよいかを考え、またそれをどう伝えたら良いのかを考えていかなければ自立はできません。

 

優しさと介護はまた別のものなので、介護の本質である自立支援を自分なりに考え、他の職員とも共有できる人がこの仕事には向いていると私は思います。

それを主張する方には向かない

その逆で優しさを主張する方はこの仕事には向かないと思います。

 

優しさである「こうしてあげたい」を全て自分が背負うことになります。

 

反対にどこかで限界が来てしまい、潰れてしまうかもしれません。

介護士の転職体験は自分を成長させる

転職することで、今までにない考えが生まれることもあります。

 

私自身も転職する前は自立支援の事をそこまで重要視したことはありませんでした。

 

しかし転職をして、今の職場で働く事でさまざま方と接する機会もありました。

環境が変われば考え方も変わる

重度の方だから手伝うのが当たり前ではなく、重度の方でも何が自立して行うことができるのかを考えるようになりました。

 

以前の自分であれば、きっとこんな考えには至らず、ただ「お風呂に入れてよかったな。」

 

と思うだけでしたが、このような考えを持つことで更に自立について考えていくようになりました。

 

きつい事をいうこともありますが、それでご自分でできることが増えた方もいたりするのでその大切さを学びました。

職員の育成にも役立つように

また、自立支援がどのようなものかを考えていくことで、職員への育成、指導にも役に立つことがありました。

 

全てをフォローするのではなく、今できていることと、まだできていないところをしっかり見ることで、どうすればできるようになるのかなど。

 

「一緒に働く職員でより良いサービスができるようになるぞ!と思いながら」その人の成長に合わせて指導することができるようになりました。

 

このような考えを持てたのも転職をして今の職場で働くことができたからだと思っています。

転職は必要な”リセット”

転職することで一度リセットしないといけないこともあります。

 

しかし、新たな考え方や環境を得るためには必要な事なんだと今になれば思えます。

 

少しでも今転職で悩んでいる方の背中を押せたなら幸いです。

 

最後まで読んで頂いてありがとうございました。