ケアマネは偉そう?施設崩壊を招くモンスターの実態

特養で介護支援専門員(ケアマネ)をしています。

 

私はもともと作業療法士で、ケアマネの資格を取ってから特養や居宅支援事業所でケアマネの仕事をするようになりました。

 

特養のケアマネが2人退職するので、補充のため1人は同じ法人で別の施設にいた私。

 

もう1人は 新しく雇ったケアマネのKさんを配置することになりました。

 

が、まさかこのKさんがキッカケで、後に施設崩壊寸前までの辞退に巻き込まれるとは思っていもいませんでした…。

 

この記事を読んで、本当にヤバい人は存在するという事がお伝えできれば幸いです。

ケアマネは偉そう?第一印象から違和感

一緒に入ったKさんは大卒で、前の職場ではケアマネの業務だけでなく、社会福祉士の資格を活かして相談員もされていたようです。

 

そしてこの職場には、施設長にどうしても来てほしいと能力を買われて就職されたとの事。

 

「それだけ色々なキャリアがあるなんて、頼もしい人が来たな!」

 

ややプライドが高い感じの方だと思いましたが、仕事のデスクも隣同士。

 

仕事の連携のためにも、Kさんとはしっかりコミュニケーションをとって仕事をして行こうと思ってました。

ケアマネは多職種との連携が必須

ケアマネはケアプラン作成のため現場の介護職員さんに利用者の情報や、介護サービスがきちんとできているのか聞いていかないといけません。

 

介護職員さんとの連携は必須で、利用者へのサービスで現場の負担が増えている場合は、サービス自体を調整する必要もあります。

 

プランを作って渡せば終わりではなく、現場の介護士さんと連携が必須となる業種。

少しずつ浮き出てくる問題

仕事をしていると、Kさんの言動や行動がだんだんとヤバくなっていきました。

 

最初は猫をかぶっていたのでヤバイ人だと思わなかったのですが、とにかく介護現場の職員とのトラブルが多くて嫌われ方がハンパじゃない。

 

「は?何やってんだこの人」

 

さらに人間関係だけではなく、通常のケアマネ業務すらできていないことが多い。

 

トラブルのほとんどはKさんのミスが原因で、それに振り回されることも段々と増えていました。

偉そうなケアマネの言動で職場崩壊寸前に

ある日、Kさんは現場の介護士さんを見下して考えられない言葉を浴びせていました。

 

「ケアプランが遂行できていないのは、現場の介護士さんが悪い!」

 

「苦情がでているのは 現場のお前らが悪い!」

 

日常生活でも言わないような言葉を、職場で介護職の方にぶつけているのは驚愕でした。

 

「またトラブル起こしてる…全く、いい加減にしてほしいよな」

壊れていく現場の関係性

何より私が精神的にキツイと思ったのは、現場の介護職員さんがケアプラン通りに忠実に行っているにも関わらず怒られていたこと。

 

そして、それが原因で介護職員さん同士で口論になってトラブルが起こっている事でした。

 

Kさんのケアプランの内容が粗末だったり、そもそもケアプラン自体できてないのが原因なのに…。

 

「なんでこんなにめちゃくちゃになるんだ…」

 

あんな人のせいでで、介護現場や人間関係が崩れていくのは本当にきつかったです。

 

その悪影響は施設全体を巻き込むほどに大きくなっていきます。

ケアマネは偉そうな態度を通り越して…

当然ですが、現場職員とのトラブルが多いKさんの事はみんなも嫌い。

 

普段言われてばかりの介護職員もKさんへの陰口が露骨になり、同じケアマネの私への態度も悪くなりました。

 

「ほんまいい加減にしてくれ!!どこまで人を巻き込めば気が済む!!」

 

現場との関係が悪くなれば、当然普段の業務に支障をきたすようになり、仕事が普通にできなくなっていきました。

それを知ったKは驚きの反撃

もちろん、Kさんの耳にも現場職員からの悪口は入ってきます。

 

すると、逆ギレして口調が荒く表情が険しい事が多い現場スタッフを見つけるたびに、いちいち怒るようないじめをはじめました。

 

「あれだけ仕事が忙しかったら、多少は仕方ないだろ…」

 

そんな事は考えもせずに、自分を守るためだけに行動するKさん。

 

現場職員は日に日に疲弊していき、介護士さん同士の喧嘩やトラブルも増えていく一方でした。

見て見ぬふりの施設長

現場職員や入居者からの苦情は、当時の施設長にも届いていたはず。

 

しかし、施設長は相談員さんに解決を任せており、自分が解決しようとする姿は全く見られません。

 

もうどうしようもないくらいに、雰囲気の悪い職場になっていきました。

偉そうなケアマネの影響で職場崩壊が始まる

これだけ大変なことになったさんは、皆から嫌われた事で逆に開き直っていました。

 

あの施設長からも呼び出されて、注意はされていたのですが聞く耳持たず。

 

私は、Kさんの業務の穴埋めや苦情処理に追われていました。

 

当然、Kさん本人にも態度を改めるように言いましたが、聞いている間もずっとイライラしている雰囲気。

 

「ほんま最悪なや…どうしようもないな…」

 

注意した時は何もありませんでしたが、なんとその後は私にも攻撃をするように。

 

この人相当ヤバイなと思い、私はこれ以上関わらないようにしました。

ついに退職者が出る

ある日、介護現場職員がKさんとトラブルになっていた何人かの職員が辞めてしまいました。

 

この時、施設長はやっとKさんの問題がここまで大きいという事に気が付いた様子。

 

Kさんの処分を考え始めたようでしたが、すでに収集が付かず職員を止めることはできませんでした。

史上最悪の職場環境

全てがKさんの原因で職場の雰囲気が悪くなったとはいえないのですが、Kさんの態度がきっかけになった事がほとんど。

 

解決方法も無いまま介護現場の職員がどんどん辞めていき、介護現場は回らなくなりました

 

現場の介護職員同士トラブルが勃発したり、お互いあいさつはせずに平気で無視。

 

口調はケンカ腰で、どの職員をみても表情はいつも怒っている状態。

 

職員は常にストレスを抱えた状態で、入居者さんにもしわ寄せがいくような最悪な職場になっていました。

いつまでも変わらない現状

私自身も変わらないKさんと、同じ部屋で隣の机で仕事するのがとても嫌で、吐き気がするほどの状態。

 

施設長もどうしていいのかわからず、相談員や私のところに相談しにきていました。

 

しかし、あまり頼り無く他の職員からも役には立たないと思われていた施設長。

 

もちろん、Kさんからもなめられている状態だったので、注意しても全く効果がありませんでした。

偉そうなケアマネに最後は数の力で勝負!

「もう終わりやこの施設…潰れてまうやん」

 

このままではみんな病気になって辞めていくか、潰れてしまい入居者さんも犠牲になるかと思われました。

 

最後に施設長や介護現場の主任さんと話し合い、Kさんに態度を改めるよう話す事に。 

 

本来は自分の部署なのですが、一人で話すと喧嘩になるので、施設長・相談員さん・介護主任さんと4人で注意することにしました。

啓発活動で間接的に行動を否定

介護現場で働く人同士で助け合うように朝礼で言ったり、ポスターを作って啓発したりしました。

 

「もうあんな思いをしながら仕事すんのは嫌だよね」

 

1人1人と話をしながら、嫌がらせやいじめの体質も無くすように声をかけたり。

 

現場では、介護士さんや私も含めて口調を荒くしないように、しんどくてもなるべく笑ってすごそうと伝えていきました。

給料面にもテコ入れ

現場で気持ちよく業務をするには、やはり見返りも必要だという旨を施設長に話をしました。

 

介護士さんは給料が安いので、ちょっとしたことが不満につながりやすいと考えたからです。

 

給料が上がると職員さんのモチベーションも上がり、態度もよくなるはず。

 

10円や100円でもいいからあげてくれ!と施設長に職員全員で直談判。

 

そこで初めて今まで頼りなかった施設長が、理事会でその件を話すと言ってくれました。

孤立そしてついに

少しずつですが、施設の雰囲気が変わるとKさんは今まで以上に孤立していくようになりました。

 

そして、ポスターや朝礼などでその行動を否定するような内容を共有。

 

最後は完全に居場所を失ったのか、自ら施設を去っていきました。

偉そうなケアマネが退職した後は?

私はKさんの仕事をカバーすることが無くなったので、余裕を持って自分の仕事にしっかり取り組めるようになりました。

 

気持ちも楽になり、介護士さんと笑顔できちんとコミュニケーションをとって連携。

 

また、介護現場の人手が足らないときは率先して現場のお手伝いに入り、介護士さんからも頼られるように。

 

仕事が増えたように見えるかもしれませんが、助け合うことでお互い気持ちが良くなりました。

職場環境は少しずつ改善!

少しずつですが、小さい事を積み重ねることで職場も良い雰囲気になり、介護士さんの給料も少しですが上がりました。

 

私は職場の雰囲気を良くするのに貢献したのが評価されたのか、副施設長に昇格。

 

本当に辛くて逃げ出したい時期もありましたが、苦労が報われたのは嬉しくてたまりませんでした。

大変な経験を乗り越えて思うこの仕事が向いている人

この仕事が向いている人は、真面目に仕事に取り組む人だと思います。

 

一緒に働いている人と積極的にコミュニケーションをとったりする人は、みんなからめちゃ好かれます。

 

職場の雰囲気や人間関係を大事にする人は評価も受けやすく、昇給したり給料もあげてくれやすい傾向にあるでしょう。

 

向いていない人は、仕事をなめていたり同じ職場の人に横柄な態度をとったりする人だと思います。

そんな人が現場に増えてほしい!

日本で介護の仕事をやりたがる人が少なくなりました。

 

介護現場も慢性的な人手不足で、人間関係がギスギスしていたり、口調が荒かったり表情がいつも怒っている人が多いです。

 

誰もそんな職場で働きたくないからこそ、先ほどお伝えしたような人が現場に増えてほしいと思っています。

 

誰もが楽しく利用者や他の職員に優しくできて、いつも笑っている職場なら介護現場で働きたいと思う人も自然と増えるでしょう。

 

みんなが望んでいる職場に変えようという姿勢があれば、ヤバい人も居なくなるでしょうしね!

興味があれば挑戦してほしい仕事!

介護の現場はすごく独特というか、しんどいなあと思う事は多々あります。

 

その環境や人間関係も他の業種とは違う独特なもの。

 

さらに、介護現場は慢性的な人手不足なので身体の負担は大きく、日々の対応や人間関係による精神的ストレスも大きいです。

 

それでも、この仕事でしか得られないやりがいがあるのも確か。

 

もし、興味があればぜひ一度は挑戦してみてください。