訪問介護辞めてフリーランス!?縛られない人生を選んだ結果とは?
これは6年くらい前に訪問介護の事業所でサービス提供責任者として働いていた時の事。
当時の理不尽過ぎる仕事環境とある事件のせいで、介護業界で働くのはトラウマとなってしまいました。
退職してからは、文章の校正・校閲(介護福祉士の参考書の校正も担当しています)文字起こし、FXのデイトレーダーなどをして生計を立てています。
趣味で音楽活動をしているのですが、そこで現在のパートナー(妻)と出会い今では2人でフリーランスとして自分たちらしく過ごしています。
現状に不満を感じている方へ
この記事は職場で働くことにストレスや違和感を感じている人。
退職後の不安を抱えてる人に読んでもらい、少しでも状況が改善したり行動を起こすきっかけになったらいいなと思います。
訪問介護を辞めようと思った3つのブラック体験
私がヘルパーからの退職を考えたキッカケは主に3つありました。
1.休日稼働は日常茶飯事
訪問介護事業所で正社員として働いていた頃はサービス提供責任者をしていました。
事業所は休みなく営業していたのですが、その当時の施設は何故か責任者が全員土日休み。
しかし、土日もヘルパーさんは働いているので、何かあった時や利用者からの電話には職員の誰かが対応しなければなりません。
連絡は会社の転送携帯にかかってくるのですが、なぜかそれを持っているのはほとんどが自分。
休みの日も必ず電話応対をしなければならず、とにかく電話が鳴るのがすごくトラウマになっていました。
対応は電話だけにとどまらず…
何らかの理由をつけて先輩に押し付けられて、全く意味をなさない順番で転送携帯を持つルール。
電話応対で済めばいいのですが、時には自分が出動しなければ解決しないこともあり、落ち着いた休日というのはほとんどありませんでした。
そのせいで夫婦での旅行をキャンセルしたり、ときには夫婦喧嘩の原因にもなってしまっていました。
奥さんはどうにも気持ちが抑えられず、会社に抗議の文章を送りつけてしまったことも何度もありました。
2.仕事のわりふりが圧倒的に理不尽
上でも少し書きましたが、自分だけ担当利用者の数が多くさらにサービス量が多くて調整が大変でした。
さらには他の事業所で断られて回ってきた問題案件が多く割り当てられる事も日常的。
自分以外にも責任者はいるのに、担当している利用者さんの数は明らかに他のサービス提供責任者より多い状態でした。
自分が担当させられるのは…
仕事に時間がかかり過ぎというのもありましたが、それもそのはず。私が担当していたのはいわゆる訳アリ。
要介護度が高くサービス量の多い利用者さん。
問題を多く抱えており密な連絡が必要な利用者さん。
他のサービス提供責任者が断られてしまった利用者さんなど。
なかには、他の事業所で断られ続けてしまっている利用者さんの依頼もあり、相談も無しに問答無用で私の担当にさせられてしまっていました。
3.残業代がちゃんと払われない
全く支払われなかったわけではありませんが、その当時は月の残業時間がなんと150時間。
しかし給料明細を見ると支払われていたのは、わずか60時間程度の金額しかのみ。
1番違和感があったのは定時で一度タイムカードを押して、残業代は自己申告性という謎のシステムでした。
訪問介護をついに退職!…のはずが
他にも会社に対していろいろな不信感が募り、退職を決意しました。迷惑をなるべくかけないように辞めたいと思い、社長には3か月前に退職の意思を伝えました。
しかし、後任の採用を進めてくれるわけでもなく、在籍している社員に業務を引き継がせてもらう流れも作ってくれないような状態。
退職の1か月前には、もう一度「来月には退職をするので、引き継ぎ業務をさせてください」とお願いしたのですが、「無理だ。もう少し待ってくれ。そんな勝手には辞めさせないぞ」などと言われました。
驚愕の理由で給料未払い
結局、いろいろ憎まれ口を先輩やら社長に言われましたが、何とか無理矢理退職させてもらいました。
しかし、本当の悪夢はここからでした。翌月に銀行口座を確認すると、働いた最後の月の給料が振り込まれていません。
「どういう事だ…?」すぐに会社へ問い合わせたところ「お前はちゃんと引き継ぎ業務を行わなかったからだ」と一言。
本当の悪夢はここからだった…
この件に関しては自分にも多少落ち度があったと反省していますが、正直言葉を失いました。
自分の担当していた利用者さんに、退職する旨と担当が代わる旨を伝えた時の事。
その方はとても悲しんでくださって、自分の事を助けてくれようとしてくれました。
会社への抗議の文章を送ったり、退社後の自分に仕事(介護職以外)を紹介してくれたり…。
最後のご挨拶がまさかの…
そこまでしてくださった利用者さんには当然、感謝の気持ちがありました。
退職が決まって最後の有給休暇を消化している期間に、その利用者さんのお宅を訪ねたのです。
あとで分かったのですが、この時マンションに入っていく様子を盗撮されていました。
訪問介護を辞めても終わらない理不尽な行動
結果的にその利用者さんはサービスを打ち切って他社でサービスを受けることに。
ただ、その理由は自分。盗撮された写真を見せられ「営業妨害をしたということで給料は支払わない」と言われました。
「そんなことにお金を使うくらいなら、何で給料を素直に払ってくれないんだ…?」
在籍中に利用者宅を個人的に訪ねてしまったことが本当に良くなかったのは確かに分かります。しかし、ここまで来ると頭も気持ちも追いつきません。
ついに限界を迎える
そもそも給料が払われない理由は、引き継ぎ業務を怠ったという主張だったはず。しかも、引き継ぎを行いたいという意思は常に見せ続けてきました。
「さすがにこの会社はヤバすぎる…」ついに限界を迎えました。
精神的に疲れ果ててしまっていたのもあり、外部の力を借りることに。労働基準監督署への報告。給料を支払ってもらう交渉には弁護士さんに立ち会ってもらうよう依頼しました。
そのおかげで、結果的に最後の給料を支払ってもらうことができました。(弁護士さんへの依頼料金分はマイナスになってしまいましたが)
訪問介護のトラウマからフリーランスへ
退職後は、知人の紹介で別の業種(文章の校正・校閲)でフリーランスとして働くこととなりました。
この体験がキッカケで、会社に所属する事と介護業界での労働がトラウマに。
最初フリーランスになる事に不安もありましたが、休日もちゃんと自分で決めて取ることができ、何より介護業界にいたときより収入も上がりました。
さらに、自分がやりたいこと(文字起こし、FXトレーダー、WEBライターなど)にもチャレンジする時間を作れるようになり満足しています。
今でも仕事が確保できない不安はありますが、自分自身で営業をかけて仕事を受注できる状態でもあるのでチャンスだと捉えられています。
あと、フリーランスになると税金関係のことを自分自身でやらなければなりません。
ですが、自分の場合は逆に確定申告や帳簿をつけることがものすごく得意というか好きなだったので、そういう面でもフリーランスになれて良かったなと思えています。
介護業界を辞めるかは人それぞれ
その人の状況によるので、介護業界を辞めれば幸せになれる。やりがいが見つかるなんて事は絶対ありえません。
所属する会社を変える(同業種で転職する)だけで、今抱えている問題を解決できることもあり得ると思います。
私の場合は「奥さんと2人で今後の人生をどう生きていきたいか?」というのが1番重要なポイントだったのでよく話し合いました。
自分にとっては最高の選択だった
当然、会社に所属して安定した給料を得ることを求める人もいますし、逆に会社勤めが合わない方もいると思います。
話し合った結果、夫婦そろって会社勤めで苦い思いをした経験が多々あるので、思い切って2人でフリーランスで生きていくという選択をしました。
そこから6年ほど経っていますが、今では本当に良い選択をしたなと思えています。
ヘルパーは感謝がもらえる良い仕事だった
色々ありましたが、私が介護職を選んだ理由は人のために働いて感謝される仕事をしたいからでした。
仕事でお客様や取引先の方に「ありがとうございました」と言うことはあっても、「ありがとう」と言われる仕事のほうが少ないと思うんです。
どんなに会社の環境が悪くても、利用者さんからの感謝をされた事には心からやりがいを感じていました。
介護という仕事を通じて、人として学ばせてもらっていたことがパワーになっていたのもあります。
そのおかげで離職する最後の日まで利用者さんへのサービスに関しては、常に全力かつ誠実に実施できていたと自負しています。
病気や障害で日常生活に助けが必要な方にとっても、人の役に立ちたいと強く思える人はこの仕事にとても向いていると思います。
現状に不満があるなら行動するべき
退職する際にはいろいろとゴタゴタすることもありますが、今となってはメリットもあったと思えています。
労働基準法を勉強するきっかけとなったり、弁護士さんに依頼する経験ができたこと。
悩んで立ち止まることより動き出してから考えるほうが上手くいくことなど色々な事を学ぶことができ、本当に勉強になったなと思っています。
これからは介護業界で働く人の賃金が上がり、労働環境が改善され安心して働けるようになってほしいと強く願っています。