ママが介護職に挑戦!未経験から18年働き続けたリアルな本音

ママが介護職に挑戦!未経験から18年働き続けたリアルな本音

今から18年前のこと。30代前半だった私は、下の子供が小学生になった事をきっかけに新しく資格を取って就職することに。

 

取得した資格は、当時「ヘルパー2級」という名称だった資格です。資格取得と同時に、介護の仕事をやり始めました。

 

それから今までずーっと介護に携わっています。こんなに長く介護の仕事を続けるとは、自分でも全く思っていませんでした。

 

現在、この仕事に就くきっかけとなった子供は成人し独立しました。夫婦2人と犬3匹の生活です。

 

そして、仕事では介護現場の第一線からは離れ、ケアマネジャーとなり日々奮闘しています。

 

現場からは離れていますが、介護業界にはどっぷり浸かっている感じです。

これから介護の仕事をしようと思っている方へ

この記事は、これから介護のお仕事をしようと思っている人に読んでもらいたいと思います。

 

なぜなら、介護のお仕事のリアルをお伝えして、介護業界のことを知らない人にも介護のお仕事を知ってもらいたいからです。

 

介護のお仕事は決して楽ではありませんが、その分やりがいがバッチリあります。

 

万年人手不足の介護現場に働く人が増えたら嬉しいです。

ママが初めて介護を体験した場所は?

 

最初の就職先は、介護老人保健施設という入所系の施設でした。

 

ここは「今日はいったいどんなことがあるんだろう?みんなが平和に1日を過ごせるかな?」と毎日思うような仕事場。

 

当時は「いったいどんなことがあるんだろう」という、期待と不安が入り混じった不思議な感情を毎朝感じていました。

初めての職場は認知症の対応からスタート

配属先は認知症棟。それまで、自分の身近に認知症の人がいなかったこともあり、認知症棟の中はこれまで見たことがない世界で驚きました。

 

何故なら介護施設に就職するまでの私は、爪を長く伸ばしてネイルサロンに通うようなタイプでした。

認知症の方を見てなぜか火が付いた

当然、周りの人たちから「介護なんて出来っこない。」と思われていました。

 

しかし、この認知症棟に配属されたことがきっかけで、なぜかとてもやる気になってしまったのです。

 

誰かの手を借りないと、日常生活を維持することが大変な方々が目の前に現れたのですから、お世話したい気持ちで溢れていました。

1日のスケジュール

施設勤務でありながら日勤だけの契約だったので、勤務時間は8:30〜17:30でした。

 

8:30〜 出勤

入浴される方々の着替え等準備

 

9:00〜 排泄介助 

40名を介助します。トイレ介助30名、おむつ交換10名ほどでした。

 

11:30〜 昼食の支度

配膳は楽ちん。食事を配るときに間違えさえしなければ、ここでは緊張するようなことはありませんでした。

 

12:00〜 食事介助

この時間は気が抜けません。誤嚥しないように気をつけながら食事介助をしないといけません。

そのかたわら他の人の食事をとってしまう人に目を光らせ、食べることを忘れてしまう人に声をかけます。とにかく、やることがいっぱいあって大変でした。

 

12:30〜 口腔ケア介助

歯磨きできる人には歯ブラシを渡し、出来ない人は入れ歯を外して洗います。

 

13:00〜 排泄介助

トイレ介助とおむつ交換を全員分やります。

 

14:00〜 レクリエーション

ベッドから離れられる方をフロアに集めて、音楽療法やゲームなどを行います。五感を使うものを職員が順番に考え、司会も当番制でやりました。

 

15:00〜 おやつ介助

食事介助と同様、摂取の介助や見守り、声かけをします。

 

16:30〜 排泄介助 

3回目の全員分の排泄介助です。

 

17:00〜 記録

1日の記録を記入します。

 

一日中、やることが満載でした。

とにかく入浴介助が大変だった…

入浴介助 介護職員4名、看護職員1名で浴室の中と外に分かれて介助していました。

 

入浴介助は体力勝負!入浴当番が続くと、疲れがたまり、機嫌が悪くなる職員が続出です。

 

手も荒れました。入浴当番でない人はフロアーの見守り係になるのですが、これはこれで大変でした。

 

人手がいつも足りなくて、フロアーに残った利用者さん全てをたった1人で見なければなりません。

 

見守りというのはただ見ていれば良いわけではなく、「何事もないように見ていなければならない」から気を抜けずに大変でした。

ママが介護職を体験して一番辛かったこと

この仕事で一番辛かったのは、元気だった頃を知っている方が認知症となって入所してきた時です。

 

私の場合、高校生の時に部活でお世話になった、ある武道の道具を作る職人さんが利用者となり入所してきました。

 

お元気だった頃には、威厳があり近寄り難い雰囲気を持った職人さんだったので、認知症という病気になられ、変わってしまった姿にショックを受けてしまいました。

 

もちろん、お世話をさせてもらう上では、他の利用者さんと変わりはないのですが、気持ちの持ちようをフラットにすることに時間がかかりました。

 

仕事内容や身体的に辛いと感じたことはなく、気持ちの上で辛いことが多かったように思い出します。

介護職を体験して良かったと思えるポイント

高齢者に携わる仕事をして「老い」ということを考えるようになりました。

 

介護のお仕事をする前の私は、自分のことはもちろん、親のことも漠然と「いつまでも元気でいられる。」

 

「ただ歳をとるだけ、白髪が増えるだけでしょ。」くらいの軽い気持ちで考えていました。

何気ない大切さに気付けた

歳をとると食事の支度がままならなくなる、トイレに行くことが大変になる、1人でお風呂に入るのも難しい、買い物や病院に行くのも1人では無理…お手伝いが必要になるんです。

 

介護施設にお勤めをして、初めてそのことに気がつきました。認知症になればなおさら、自分のことが自分でできなくなってしまうかもしれません。

 

今何気なくできている事や、合って話ができている人の大切さはこの仕事を通じて再認識できたと思います。

チームワークも実感できた

そして、介護現場はいつでも人手が不足気味です。少ない介護職員同士に連帯感が生まれ、不足を補おうと助け合うようになります。

 

そのようなチームの連帯感のようなものを感じて仕事ができたことも、良かったと思えるポイントです。

ママが介護職をやってみて

介護のお仕事は、簡単に人に勧められるお仕事ではないと思っています。

 

なぜなら、世の中の人が思っている通り低賃金の割に大変な仕事だからです。

 

肉体労働でもあり、繊細な感性が必要な仕事でもあります。専門的な知識が必要になる場合もあり、知識ゼロでは勤まらないと思います。

その分、大きなやりがいもある

しかし、大変な分やりがいがあります。例えば、認知症で意思疎通がなかなかできない利用者さんと会話のキャッチボールができた時。

 

普段はおむつ交換を嫌がりピタッとおむつをつけることが難しい方のおむつ交換がバッチリ決まった時などは、心の中でガッツポーズをするくらい達成感があります。

 

真剣に利用者さんと向き合っている人ほど、大きなものを感じると思います。

 

介護は専門職です。知識や技術が必要なんです。

 

介護のことを真剣に学ぶ気持ちのある人には、介護のお仕事をオススメしたいと思います。

介護職を体験したから言える向き・不向き

介護のお仕事が向いている人は、介護に興味がある人や人のお世話をすることが好きな人。

 

見返りを求めない人、人の話を聞ける人、細かいことに気がつく人などの人だと思います。

 

共感力があり、人付き合いが上手な人ならなお良いのではないでしょうか。

当然、不向きな人もいる

逆に介護のお仕事に向いていない人は、人の話を聞けない人やありがとうを求める人。

 

短気な人、気が利かない人、高齢者を子供扱いする人、認知症の人をバカにする人などあげたらキリがありません。

優しすぎる人も向いてない

一番気をつけなければならないのは、優しすぎる人です。

 

最低限の優しさは必要ですが、必要以上の優しさは、むしろ介護業務の邪魔になる場合があります。

 

介護は高齢者の残存能力を引き出すお手伝いをしなければなりません。その方が持っている能力を奪ってはならないのです。

 

優しさから過度のお手伝いをしてしまうことがあります。その点は気をつけなければならないと思います。

ママが未経験から介護士になって芽生えたやりがい

​​​​​​

​​​​​​​​​​​​初めて介護業界(認知症棟)で働いて感じたことは、「何これ?」「大変!」「楽しい!」と心の中が、目まぐるしく動きました。

 

認知症高齢者の方々と身近で接して、それまで知らなかったことばかりに直面し驚いたのです。

 

しかし、心はメラメラとやる気の炎で燃え「やってやるぞ!」という気持ちでいっぱいでした。

当然大変な事も尽きない

介助しようとすると暴れてしまう方や、頑なに嫌がる方もいます。

 

そのような方々の中には、叩いたり、蹴ったり、引っ掻いたり、唾を吐きかけたりする方がいます。そのような方々の介助をするときは、「大変!」になります。

 

認知症の方が、ティッシュペーパーを食べようとしたり、他の方の食事を盗ろうとしたりする現場に直面したときは、「何これ!」となりました。

 

そして「楽しい!」は、1日の勤務の中に何度もありました。クスッと笑えるようなエピソードは数え切れないほどあり、「大変!」を忘れさせてくれます。

やりがいには変えられない

達成感を感じることができる場面も、いくつもありました。私は、このような高齢者の方々との日常の中で、やりがいを見つけたのです。

 

初めて勤めた介護の現場は、それまで知らなかった世界でした。私にとっては、あまりにも衝撃的でした。

 

だからこそ、「よし、やってやるぞ!」という気持ちになったのだと思います。

 

この記事を読んで1人でも「介護に挑戦してみよう!」という人が増えると嬉しく思います。

 

最後まで読んで頂いて、本当にありがとうございました。