訪問介護の社員は1日何件?そんな常識は通用しないブラックの実態

訪問介護の社員は1日何件?そんな常識は通用しないブラックの実態

今回の内容は約12年前〜9年前の話です。現在は、文章の校正・校閲(介護福祉士の参考書の校正も担当)

 

文字起こし、FXのデイトレーダーなどをして生計を立てています。

 

趣味で音楽活動をしているのですが、そこで現在のパートナー(妻)と出会い、今では2人でフリーランスとして、自分たちらしく過ごしています。

「ヤバい」と思った体験

「ヤバい」と感じたことは、正直たくさんありすぎるので、箇条書きにさせていただきます。

 

・脅威の連続40時間労働

 

・休日出勤が給与明細上もみ消されている

 

・先輩から自分の担当利用者以外の書類作りをやらされる

 

・何でも頼まれてしまう状態になってしまい、残業が200時間

 

・乗ったことないバイクでの移動

 

詳細はあとで書いていますが、ストレスで胃が痛くなったり介護の仕事がトラウマになるような経験でした。

これからの高齢化社会に備えて

これからは団塊の世代が後期高齢者に突入して、要介護者が増加していく時代。

 

介護職を志す方々が働く環境というのは本当に重要になってくると考えています。

 

当時の自分のような冷遇は現在ではだいぶ減っているといいのですが、少しでも改善されていってほしい。

 

ぜひ、人材を雇用する側、職場の環境を変えられる権限のある方々に見ていただけたらと思います。

訪問介護の正社員は1日何件?なんてレベルじゃない!

当時は社宅に住んでいたため、人手が足りなくなると休日出勤も当たり前の状況。

 

とにかく休日に電話が鳴るのが嫌で嫌で仕方がなかったです。人生で初めてストレスで胃が痛くなる経験をしました。 

 

しかも、訪問サービスを終えて事業所へ戻れば次から次へと他の先輩社員やセンター長から仕事の依頼。

 

書類作成などを中心にいくつもの仕事を頼まれるので事業所に戻るのが本当に嫌でしたが、それがマシに思える出来事が起こります。

脅威の連続労働

夜勤勤務(夜間対応型の訪問介護事業所だったため)が終わった朝方にセンター長から電話。

 

「〇〇さんが体調不良で出社できなくなって、サービスに穴があきそうだから、ごめんけどそのまま日勤お願い」と。

 

自分も疲れていたけど、利用者さんのことを考えたら申し訳ないのでOKしました。

それでは終わらなかった

へろへろになりながら日勤を終えたタイミングで再度センター長から連絡。

 

「マジでごめんけど、他の地区の事業所のヘルプで今日の夜勤の〇〇さんが行かないといけなくて、そのまま夜勤お願いできない?」と。

 

どうにも人が足りないのは分かる。「でも、なんでセンター長が出てくれないんだ…?」自分の気持ちを押し殺して渋々OKしました。

今ではありえない超肉体労働も

いくら自分が若くても、当時の勤務は夜勤と言いながら車の運転もあるし人を抱えて移乗する危険度の高いサービス。

 

挙句の果てには住居の構造上3階から1階まで、お姫様抱っこをして利用者さんを移乗する介助もしていました。

 

本当に危険を感じながら、意地でも事故は起こさないという思いだけで業務をこなしました。

連続で働いた時間は…40時間

あとで数えてみたら休まずに働いた時間は、なんと40時間(夜勤16時間+日勤8時間+夜勤16時間)

 

40時間連続というのは1度しかありませんでしたが、夜勤後に日勤を続けてやるというのは当たり前に。

 

今ならとても考えられませんが、お願いもされずにシフトにすでに記入してある状態になってしまっていました。

介護士のブラック体験【残業は○○時間】

当時の訪問介護事業所に勤めて驚いたことが1つありました。

 

それは利用者さんが特定のヘルパーさんを拒否(出入り禁止的な)しているケースが非常に多い実情があった事。

 

しかし事業所で私だけは一度も拒否されたことがなく、どのサービスでもどの利用者さんのお宅にも行ける状態でした。

業務量もそれに比例

男性ヘルパーですが、家で料理をすることもあり家事援助のサービスも提供していました。

 

その結果、他の社員と比べて1日のサービス稼働件数が2倍程度ある状態に。

 

さらに利用者さん本人だけではなくご家族からの指名もあり、担当している利用者さんの件数も他の社員より多くなります。

 

こうなると、大変なのは現場だけではありません。作成しなければならない書類も2倍ありました。

それでも仕事を依頼する周囲の職員

書類作成も速いほうだったので、このキャパオーバーな状態も何とかこなしていました。

 

しかもこんな状態の私に平気で依頼してくる先輩やセンター長の分の書類作成まで。(詳細は後ほど)

 

最後には何でも頼まれてしまう状態になってしまい、常に時間が足りず残業が月に200時間ある状態でした。

介護士のブラック体験【理不尽な業務依頼】

サービス提供者の業務として利用者さんのサービスに関しての情報など、毎月作成しなければならない書類はたくさん。

 

それでも、上で説明したような無茶苦茶な現場と兼務しながらなんとかギリギリこなせている感じでした。

 

しかし、先輩たちからは頻繁に驚きの声が飛んできます。「私の担当利用者のもやっといて」と。

 

何の悪びれた様子も無く、本当に書類を投げつけるように渡してくるその姿は今でも忘れられません。

中には顔も知らない方の書類も

業務の量も問題でしたが、自分が1番納得いかなかったのは全く関わったことが無い方の書類まで回してくること。

 

利用者の抱えるニーズに応えるという観点からも、実際どのようなサービスが行われているのか?

 

どんな住宅状況かも分からずサービスに必要な書類を作る事は、利用者さんにとっても本当によくないことだと強く感じていました。

介護士のブラック体験はまだまだ

ここまで特に強烈な物を紹介してきましたが、小さい物を含めるとこんなものではありません。

 

介護の仕事をしている人なら分かると思いますが、正直言えない事もたくさんありますからね。(もうすでにヤバい内容ですが)

 

あと2つだけ自分の中で残っている体験を紹介したいと思います。

いきなり乗った事の無い○○へ

夜勤勤務の出社の直前に、突然センター長から連絡があり「今日は夜勤のときに使う車を本社の営業が使って、出払っているからバイクでお願い」と言われました。

 

「え?ちょっと待って…?」確かに普通自動車免許を持っているので、法律上では原付バイクには乗る事はできます。

 

しかし、私は原付には一度も乗ったことがありませんでした。もちろん交通ルールも定かではありませんが、車もないので原付でサービスに向かうしかありませんでした。

 

原付の操作(曲がり方、ブレーキの位置など)も不慣れなのに、夜間でも交通量が多い移動だったので、本当に怖かったのを覚えています。

月に〇日しか休みが無いのに…

これは完全にアウトだと思いますが、休日出勤が給与明細上もみ消されている事がありました。

 

少ない時は月に2日しか休みが無かったにもかかわらず、明細では勤務日数が21日と記載されている。

 

もちろん手当てとして働いた分の金額は上乗せされていましたが、すごく不信感を抱きました。

ブラックな事業所には言っても無駄だった

当時の上司(センター長)にキャパオーバーであること、残業時間・休日出勤を減らしてほしい旨は何度も相談しました。

 

他の社員の書類作成のスピードアップにつながる提案、自分の業務をサポートしてくれる社員さんを採用してほしいなど提案しました。

 

夜間の原付での移動はもうできませんと伝えました。しかし…何度相談しても無駄でした。

上司の対応

何度相談をしても、いつも口癖のように「◯◯くん(自分)じゃないと無理なんだよ、売り上げのためにごめん、お願い」と言われ真剣に対応しようとしてくれませんでした。

 

自分が若かったり、他の社員より勤続年数が少なかったせいもあったかもしれません。

 

しかし、書類作成の提案に関しては「それぞれのやり方があるから」と言われ試すことさえもしてもらえず。

 

サポートしてくださる社員の採用に関しても「◯◯くんだけにサポートをつけるわけにはいかない」と言われ結局何も改善されませんでした。

 

唯一、夜間の原付での移動に関してだけは対応してくれてそれ以降原付での移動は無くなりました。

ブラック体験をしてもこの仕事を勧めるか?

振り返ってみると、自分の場合は本当によくない事業所に運悪く勤めてしまった稀なケースだと思っています。

 

介護職を離れたあとにこの仕事をしていた方などの話を聞いても、自分と同じような待遇を受けたことがあるような方には出会ったことがありません。

 

職場で辛いことやおかしなことがあったときに溜め込みすぎず相談できる人、ちゃんと相談できる相手がいる人ならこの仕事を勧めても良いかと思います。

この仕事が向いている人

私が勤めた会社の労働環境は最悪でしたが、介護という仕事に関しては本当に社会にとっての必要性を感じられる仕事だと実感させられました。

 

社会貢献したい思いが強い人や人のために働きたいと思える人。人の話を親身になって聴ける人。業務が多いのでテキパキ働ける・体力がある人。このような方がこの仕事に向いているように思います。

介護士の働き方が見直されて欲しい

この記事を読んていただき、介護業界で働くことを辞めてほしいと思っているわけではありません。

 

賃金面・労働環境面でも安心して働ける業界に変わっていってほしいという思いが強くあり、それが介護を受ける方のためにもなると思っています。

 

将来、自分が介護を受けるようになったときには、介護職の職員さんに尊敬や感謝の気持ちを持って「ありがとう」と言える人になっていたいなと思います。

 

最後まで読んで頂いてありがとうございました。