介護職はメンタルやられる?過労と責任で涙が止まらなくなった話
2年前から、障害者の訪問介護で働いています。
施設内で勤務しているため、一般的な訪問での移動はほぼ無く、施設の中で利用者様の部屋に訪問し支援を行っています。
新人教育や事務作業から現場業務まで担当していましたが、ハードすぎる業務で精神的に参ってしまいました。そのため、現在は年内復帰予定で休職中です。
無理を続けた結果
ヤバい環境だとは薄々気付きながら、自分に喝を入れ続け出勤していました。
しかし早朝出勤のある日、起きていつものように準備をしようとしたら、涙が止まらなくなり、ベットから起き上がれなくなってしまいました。
今介護職をしてい「しんどい」「辞めたいけど頑張らなきゃ」と無理をしている方や、これから介護業界に足を踏み入れようとしている方に読んでいただきたいです。
介護職でメンタルやられたキッカケは過労
ほとんどの従業員の残業時間が60時間越え(サービス残業抜き)だったことからヤバいと感じました。
サービス残業込みだと、平均で80~100時間程度残業していたのではないかと思います。
LINEで業務のやりとりをしていたのですが、休みの日もお構いなしに電話が鳴り、職場に呼び出されることも珍しくありません。
また休日出勤の際は、休日出勤扱いにならず、残業手当しかつかないという環境でした。
なぜそんな残業時間になるのか?
介護業界では残業が当たり前な風潮がありますが、その中でも訪問介護は他サービスと異なり「空き残業」というものがあります。
具体的には就業時間が8時~17時だった場合、19時から訪問があるため、2時間施設内で待機してから残業してくださいということです。
ちなみにこの場合の17時~19時までは給料の発生はありません。19時から30分の残業をした場合、残業手当は0.5時間分しか支給されません。
もちろん空き時間も休めない
勤務時間外であっても、人手不足のため、休憩室で休める訳でもなく、電話対応やコールの対応に追われていました。
酷い日には、7時から勤務し、23時まで勤務をし、残業時間は1時間という時もありました。
友人や彼氏からもおかしいと言われ、毎日辞めたい、辞めたいと思いながら仕事をしていました。
介護職はさらにメンタルをやられる状況へ…
また入社から2年の間に先輩スタッフが全員辞めてしまい、残ったメンバーでは自分が一番ベテランになってしまいました。
噂によるとエリアマネージャーと施設リーダーが不倫をしており、それが社長の耳に入り即退社になったという話です。
施設リーダーは現場スタッフからとても信頼があり慕われていたため、リーダーの退職にあたり7人の先輩スタッフが同時に辞めていきました。
これによって残されたのは私と後輩スタッフの4人。
後輩スタッフも入社3か月程度のスタッフばかりで、右も左もわからない時期にかなり不安だったと思います。
いきなり押し付けられた責任
必然的に次の責任者は私になると言われました。「え…??ちょっと待って…??」ここまで来ると戸惑っている時間すら与えられません。
新人教育や現場の業務を全て行うことになり、不安でプレッシャーのかかる毎日を送る事に。
会社の経験だけではなく介護の経験自体1年くらいしかない私が、いきなり施設の責任を負わなければいけない立場になりました。
普通では考えられない孤独
リーダーにいきなり抜擢される事はあったとしても、普通なら相談できる先輩的な存在がいると思います。
しかし、私の場合は先輩スタッフが一斉に7人ほど辞めてしまい、1番先輩というとんでもない環境。
「なんでこんな事私が…」プレッシャーや不安に耐えられず、毎日泣きながら出勤していました。
現場の人員も足りるはずが無く
訪問介護は毎日決まった時間に利用者様1人につき1人が対応し、伝票を記入するという流れ。
しかし、人手不足が進んだ際には1人で3人を対応して、伝票は出勤していないスタッフの名前で記入するということもやらされていました。
1度に3人を見ることで、事故のリスクも跳ね上がりますし、スタッフへの負担もかなり増加します。
知らぬ間に犯罪行為へ
人がいないのも勿論しんどかったですが、何よりこれが介護報酬の不正請求だと知ったとき「私は犯罪に協力してしまったのか…」とても苦しい思いをしました。
その後しっかり監査が入り会社に対して厳しく指導されたようで、今は伝票を不正に記入することは無くなりました。
しかし、人は足りていないので1人で3人を対応するというスタイルは変わっていません。
「伝票を不正に書かなくなっただけまだいいか…」と思う半面、「他の事業所はどうなんだろうか?」と日々疑問に思いながら仕事をしています。
意を決して社長へ直談判!
このままでは自分も会社も潰れてしまうと感じたため、今の現状をまとめて社長に直談判へ行きました。
「残業時間が増えすぎている、スタッフも限界です」と訴え、社長もようやく事の重大さに気付いたようでした。
これによって空き残業はほとんど無くなりました。しかし、残業自体はあまり減らず平均で45時間程度です。
中には変わらないスタッフも
私は自分の意見を言えるタイプだったので残業が減りましたが、不満を持ちながらも言わないスタッフは残業が減るどころか増えていました。
また、人手不足は解消されず、ハードな業務内容により新人スタッフが半年あまりで辞めてしまうことが続いています。
スタッフが辞める → さらに現場がハードになる → スタッフが辞めるの負のスパイラルに陥っています。
ある日突然訪れた悲劇
そんな環境下で2年ほど耐えましたが、ある早朝出勤の日、私の体に異変が起こります。
起きていつものように準備をしようとしても、ベッドから起き上がる事ができません。
「あれ…?なんで….?」不思議な感覚でしたが「動かなきゃ」と思う反面でいう事を聞かない体。
次第に涙があふれ出してきて、どうする事もできないまま泣き続けました。
この日をキッカケに私は仕事を休職。今は体調を戻すことに専念しています。
止まらない負のスパイラル
しかし、現場は私が休職している間にも数人退職してさらにハードになっています。
さらに、会社の経営が上手くいっていないようで社長はどんどんと事業を拡大。
新しい施設がオープンする度に人が異動になり、さらに人手不足を招く結果となっています。
介護職でメンタルをやられて思う事
私が思う介護職に向いている人は、人とコミュニケーションを取るのが好きな人。
チームで物事を進めることが好きな人や臨機応変に対応できる人。メンタルが強い人だと思います。
そして、個人的には運動神経も大切だと思います。
私が見た中では、運動神経が無い方は介護の技術を習得するのに時間がかかることが多いです。
寄り添う能力も大事
また聞き上手な人も向いていると思います。
こちらが話すこともありますが、利用者様の話を聞くことの方が圧倒的に多いです。
楽しい内容ばかりではなく、ネガティブな話題が出てくることもあります。
そんな話を上手に聞いて、励ますことの出来る介護士は重宝されると思います。
また、離職率の高さから経験を積んでいけば、多職種よりも管理職になりやすい業界だと言われています。
若いうちにキャリアアップをしたい方にもおすすめできます。
介護職でメンタルをやられて思う向いていない人
また向いていない人は、利用者様に寄り添いすぎてしまう優しい方。
やプライベートを優先したい方や潔癖症の方。体力に自信のない方だと思います。
優しく寄り添うというのは介護業界で良いことだと言われています。
しかし、私が見てきた中では優しい方の多くが利用者様に感情移入しすぎて、メンタルをやられてしまうというパターンがかなり多いです。
仕事だという割り切りも大切
ある程度仕事と割り切って介護できる方の方が、長続きする傾向にあります。
また3Kといわれる介護職では、どうしても汚いは避けて通れないです。
人の排泄物や身体に触ることが出来ないと考える方にはおすすめできません。
やってれば皆慣れてくる
自身も最初はかなり抵抗がありましたが、なんだかんだ慣れてしまっています。
他のスタッフも最初は嗚咽しながら対応していましたが、今では何ともない様子で仕事をしています。
よほどの潔癖症でない限り、ある程度勤務すれば慣れてくると思います。
それでも介護職は素晴らしい仕事だと思う
ここまでネガティブなことばかり並べていますが、もちろんやりがいも沢山ある職業です。
私は誰かの人生のお手伝いができる、素晴らしい仕事だなと感じています。
肝心なのは働く場所
しかし、介護業界はブラックな職場が多いため、正社員でいきなり入社すると後悔する事になるかもしれません。
運にかけるよりもパートやアルバイト、派遣という働き方から職場を見極めてから、気に入れば正社員になるという道のりをおすすめします。
また、今正社員でしんどい思いをしている方は諦めずに自分の思いを伝えたり、より良い環境を求めて転職してもいいのではないかと思います。
私自身も働き方を見直し、楽しく介護という仕事をできる方法を探しています。
少しでも同じように辛い思いをしている方の支えになれたら嬉しいです。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。