訪問ヘルパーあるある!時間内の調理がツラ過ぎる…リアル体験談
介護業界とは異なる会社で働いたのですが、ストレスから身体を壊してしまい介護職に転職。
自分のペースでできる仕事ではあったのですが、家事援助の調理が苦痛過ぎてたまりませんでした。
「訪問介護の仕事に興味はあるものの、不安で踏み込めない」
「何かしらの事情で仕事復帰の自信が持てない」
「1日数時間だけの仕事ならやってみたいと思う」
そんな方にこの記事を読んでいただき、参考になれば幸いです。
介護の仕事を始めたきっかけ
私が初めて介護の仕事をしたのは今から12年前です。
もともとお年寄りが好きだったので、学生時代に市の主催のホームヘルパー2級講座(現在では介護職員初任者研修)を受講して資格を取得。
その際の実習では、老人保健施設・デイサービス・訪問介護を経験しました。
会社を退職し療養した後、やはり介護の仕事がしたいと思いましたが、当時の私は療養から復帰したばかり。
会社員時代のようにバリバリ働く自信はなく、不安があったので柔軟な働き方を選びました。
非常勤職員からスタート
復帰後は非常勤職員として週3日、1日3時間からスタートしました。
職場は1人のケアに集中できる訪問介護を選びました。
施設やデイサービスのように慌ただしい中で、多くの方のお世話おする職場環境は向かないと実感していたからです。
徐々に担当を増やし多い時では週5日、1日に5〜6軒を回るようになりました。
訪問介護の仕事をはじめて6年間、第一子を妊娠中まで働きました。
今は子育て中ですが、近いうちにまた復帰したいと思っています。
訪問介護の1日のスケジュール
当時の1日のスケジュールは以下のような内容でした。
直行直帰の日
自宅から直行
9:00〜10:30 【1軒目】買い物・掃除・調理補助
11:00〜12:30 【2軒目】通院介助・掃除・買い物
次のサービスまで間があるので、一度帰宅して昼食&休憩
14:00〜15:00 【3軒目】入浴介助・掃除・ゴミ出し
(自宅に帰るほどの時間はないので市民センターや図書館で休憩)
16:00〜17:00 【4軒目】調理・配膳・片付け
自宅へ直帰
事業所に出勤する日
自宅から直行
8:30〜9:00 【1軒目】朝食・身支度を手伝いデイサービス送り出し
9:30〜11:00 【2軒目】買い物・掃除・入浴介助・洗濯
次のサービスまで時間があるので、スーパーに寄り一時帰宅し夕食の下ごしらえ(←こういう事ができる隙間時間がありがたい!)
14:30〜15:30 【3軒目】買い物・掃除・洗濯
16:00〜17:00 【4軒目】調理・服薬確認・洗濯
事業所に書類提出に寄って帰宅
基本は直行直帰だけど…
このように曜日毎に行き先も違えば、時間もサービス内容も違います。
非常勤のヘルパーは、基本的に直行直帰です。事業所へは、書類の提出や備品の調達、打ち合わせや研修のために月に4回ほど顔を出していました。
また、ご利用者が入院されてその訪問時間は1ヶ月間お休みなんてことも多々あります。
それで収入が不安定ではありますが、私には休息や資格の勉強ができる有意義な時間でした。
おかげで介護福祉士の国家試験にも合格できました。
自分のペースでできる仕事
私は自転車移動なのですが、それぞれ家に向かう途中でご利用者の事やサービスの手順をイメージトレーニングします。
そして到着後は1対1でそのご利用者に向き合う。
サービスを終えたら今度は2軒目に向かう道中で、自転車で風に当たりながら気持ちを切り替えることができます。
つまり心の準備をして1人と向き合い、心の整理をして次に向かうことができるのです。
私が介護の仕事を心健やかに続けられたのは、それが良かったのだと思います。
訪問ヘルパーあるある?若い子には風当たりが強い
私が選んだのは、高齢者や障害者の自宅を訪問して、生活援助や身体介護のサービスを提供する訪問介護。
当然ですが、訪問先によって家もご利用者もサービス内容も時間も違うバラエティに富んだ毎日でした。
1人での仕事はドキドキ!
初回はサービス提供責任者や先輩ヘルパーと同行。
横で見せてもらい、早ければ2回目から1人で訪問します。
どうしても不安な場合は2回目も同行して私がやるのを見てもらったり、困った時には事業所に電話をすれば指示をもらえるフォロー体制はしっかりしていました。
それでも未熟な自分が1人で訪問して務まるか、時間内にやるべきことを全てやれるか、毎回ハラハラドキドキしながらインターフォンを押していました。
若者への風当たりは強かった
その当時、事業所で20代のヘルパーはかなり珍しかったです。
そのため、ご利用者も驚かれて難色を示されていました。
「こんなお嬢さんに何ができるの?」
悔しいですが、そんな印象を抱かれても仕方ありません。
何とか見返してやろうと、先輩に教えてもらって私なりに必死で努力。
誠実に回数を重ねていくうちに「若いのによく気付いてくれる」と言ってもらえるようになりました。
やりがいを噛み締める瞬間
不思議とある家で嫌な事があって落ち込んでも、別の家で心温まる出来事があり元気になれるというように、人に傷付き人に癒されの繰り返し。
先輩から聞いた「10の嫌なことを吹き飛ばす1があるから続けられる」とは、こういうことかなと思いました。
中でも一番嬉しかったのは、「あなたの顔を見たとたん弱音が出てしまうわ」と言われたこと。
そのご利用者は離れている家族には心配をかけたくないと、電話でも弱音を吐かず元気に振る舞っていました。
けれど誰にも弱音を吐けないのはきついものです。
私はそんな方が安心して弱音を吐ける相手になれたのだと喜びを噛み締めました。
訪問ヘルパーあるある!調理の難易度の高さ!
家事援助の中でも調理がある訪問先は、毎回苦痛でたまりませんでした。
家に行って冷蔵庫を開けてみないと、どんな食材があるかわかりません。
何をリクエストされるのかもわかりませんので、いざその場で作れるのか?
しかも限られた時間内で片付けまで間に合うのか?
具合が悪くなるほどに気が重く、緊張していました。
悪戦苦闘するのに、時間内に何も仕上がらないという悪夢を何度見たことでしょう。
自宅で練習を重ねる毎日
私は当時ひとり暮らしで、作るのはカレーやハンバーグ、炒め物など自分好みな物ばかり。
そのため、訪問介護でよく求められる魚料理や煮物、お浸しなどを手際よく作ることができない状態でした。
作ることになりそうなものを練習してレシピをメモする。
そんな準備をしても、なかなか追いつきませんでした。
何度も経験を重ねた結果何とか…
先輩達は、公私共に調理の場数が違います。
そのため、その場ですぐに献立を決めて手際良くご利用者に配慮をした料理を作る。
さらに片付けまで時間内にバッチリ終わらせることができていて、本当に憧れでした。
調味料にしても何があるかはその家によって違います。
自宅ですらレシピを見て作るレベルの私にとっては、完全アウェイで30分ほどで数品作るなんて相当なプレッシャー。
何度も、何度も自宅と仕事中の回数を重ねて、何とか時間内で家事援助ができるようになりました。
訪問介護を勧める理由
私は子育て中や、事情があってガッツリ働くことができない人には特にお勧めしたいと思います。
午前中1時間だけ働きたいという人でも、訪問介護の登録ヘルパーやパートであればそれが叶います。
仕事と仕事の合間に一度帰宅し家事をしたり、子どもの様子も見られます。
短時間から始められるのが訪問介護
これほど短時間からのスタートでも歓迎してもらえて、仕事数の増減の微調整が効く仕事って珍しいのではないでしょうか。
そんな短い時間でも、ご利用者との関わりの中で得られる人生経験や、やりがいと充実感はあなたの人生を豊かにしてくれるはずです。
たとえ子育てなどで一旦離れても、家事の経験を積んだ日々は決してブランクでは無くすごく役に立つ強みになります。
身体が元気であれば、60代70代でも長く活躍できる仕事です。
介護士を体験して思う向いている人と向いていない人
この仕事が向いている人は、相手の話の聴き役になることが苦痛でない人。
そして、人それぞれの気持ちやこだわりを自分の価値観はひとまず横に置いて聴き、尊重できる人だと思います。
職場の人付き合いで疲れたりストレスを抱えがちな人にとっては、訪問介護の特に非常勤が向いているかもしれません。
非常勤職員は、ほとんどが直行直帰で職場の人との交流がとても少ないからです。
相手と向き合う誠実さが大切
一方で向いてない人は、誠実で居られない人です。
この仕事をする人は大前提として誠実でなければ、虐待や犯罪に繋がりかねないと思います。
お家の戸締り事情や貴重品の在処などもわかりますし、入浴介助や排泄介助も2人きりの空間でやることが珍しくないからです。
そして、臭いのが苦手な人、ダニやハウスダストアレルギーがある人には辛いかもしれません。
ゴミ屋敷のようなお家もありますし、尿臭なども耐え難いのではと思います。
事業所の助けを借りることができる
ただ、色々な家があり、サービス提供責任者がヘルパーの向き不向きを考慮してマッチングしてくれますので、
例えば猫アレルギーだから猫がいるお家はNGなんてことはあらかじめ伝えておけば大丈夫だと思います。
とにかく人手不足で苦手な事も十分配慮するから、行ける所に1日1軒でも行ってくれたら助かるという事業所は多々あるでしょうし、歓迎されることだろうと思いますよ。
訪問ヘルパーあるあるは辛かったけど
こうして訪問介護をしていた時のことを振り返ってみると、大変だったけれど私はこの仕事、この働き方が好きだなと改めて感じました。
今だに思い出すと凹みそうになる経験もたくさんありますが、一生の宝物のようなご利用者との思い出が力になっています。
私が訪問介護に出会い、事業所や上司に恵まれて自分に合う働き方を見つけられたように、サービス形態やその職場のカラーが合えば、介護の仕事が天職のように働きやすく感じる可能性は十分にあります。
介護の仕事に興味のある方が、自分に合った職場にできるだけ早い段階で出会い、健やかに長く続けられることを心よりお祈りいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。