40代のリストラは絶望…収入大幅ダウンで選んだ介護の仕事
私が介護の業界で仕事を始めたのは2020年の4月。
それまでは、高校卒業からずっと製造業の業界で町工場の仕事をしていました。
昔からモノつくりが好きでずっとこの業界で続けていましたが、仕事の多くが海外へ流出し仕事が大幅に減少。
機械オペレーターなのに一日敷地内の掃除や草むしりをやっていたり、それすら無い時は無理やり有給扱いで休みにされたこともありました。
リストラ寸前の状態から転職!
こんな事が度々あり、仕事も賞与も大幅にダウンした状態が数年続きました。
「ダメだ…こんなリストラ寸前の状態で続けていくのは厳しい…」
絶望的な状態から藁をも掴む思いで初任者研修を取得し、介護の業界で働く事に。
介護の仕事を選んだ理由
前職でも、定年退職間際の年配の方々や高齢のパートの方から好かれやすい。
今までとても良くしてもらったからこそ、今度はこちらが恩返しをしようと思ったのが動機です。
私自身おばあちゃん子だったので、昔から話し方が年寄りくさいとよく言われていました。
なので、ご年配の方々からは話しやすい、同期と話しているようだと変な所でウケが良かったです。
こんな変わった特技を活かせる職種や業種は他にはない!今までお世話になった世代の方々に恩返しが出来る!
そんな思いから、資格を取得し介護の業界に転職しました。
が….実際に転職してみて、介護の厳しさをとことん思い知らされました。
40代が転職した介護職のスケジュール
現在の職場では日勤のみです。
8:30 出勤
8:30~ 朝の排泄介助&体位交換
10:00~ 車いす移乗&午前中10時のお茶出し
11:00~ 昼休憩
12:00~ 昼食の食事介助
13:00~ 午後の排泄介助&体位交換
14:30~ 居室のリネン交換&おやつのお茶準備
15:00~ おやつ提供&レクリエーション
16:00~ 一部の排泄介助&記録
16:30~ 夕食前の移乗介助&一部の方への食事介助
17:00~ 退勤
40代がリストラ寸前の絶望から転職したのは介護業界
現在仕事をしている介護施設は介護付き有料老人ホームで基本的な食事介助・排泄介助・移乗介助などが仕事。
とにかくフロアの利用者様の数が多く、要介護度も特養並みに高い方が多いので、食事介助と排泄介助が特に大変です。
辛い排泄の介助
特に排泄介助の時に泥状便多量&便失禁状態の方が何人もいる時は絶望
一面が便で汚れたベットやシーツの交換は本当に地獄。
「いつまでこの状態が続くのやら…」
「今、こんな苦労をしているのは自分だけなのではないか…?」
「何か悪い事でもしたっけ?」
途方に暮れ、逃げ出したくなるような事も何度かありました。
排便の無い日が続いていて、下剤が入っていると分かっていてもイライラする時もあります。
息つく間もなく…
ようやく全員の排泄介助が終わるも暇も無い。
次の移乗介助&お茶出しに昼食前の移乗介助&車いすの方のフロア誘導。
その間に居室のリネン交換と出社から終業まで大変な毎日。
入浴介助は数が多くて定時内に業務が終わらず、残業になる事が多くこれもかなり苦痛です。
周りの職員もかなり限界
「もう私も辞めたい、逃げ出したい!」
「入浴拒否の方の相手や、介護度高い人の介助は重労働すぎて割に合わない!」
「毎日のように残業が続くこの状態は無限地獄のようだ!」
…なんて愚痴を同僚からもよく聞かされています。
入職前の自分もこういった介護職の実態を知っていれば、また違う仕事を探していたかもしれません。
同じく40代で介護の仕事をしたい方へ!
とにかく言える事は、以下の通りです!
・マルチタスクで思考し行動しなければならない
・多少の家事スキルは必要
・受け流し&気分転換が出来るメンタルは必須
機械が相手の仕事と違い、いつ何が起こるかわからないので複数の事を同時にこなすスキルは必須。
施設介護の場合、施設の種類により若干の違いはあると思います。
だいたい決まっているので、最初にこの業界に入った時は一日の仕事の流れと時間を掴むのが初期の段階の仕事だと思います。
受け流すスキルも必須!
まだ右も左もわからない新人に対しての口調がかなり強めです。
おかげで、離職率のかなり高い業界なのはご存じの通り。
最初の段階で折れてしまう人が絶えない…のが理由のひとつです。
そんな先輩に当たってもへこたれない&理不尽なもの言いを受け流すメンタルは必須スキルとも言えます。
これがあれば、利用者様からの拒否行動や暴言に対しても受け流す事に役立ちますからね。
40代がリストラ寸前から転職した介護職の実態
自分の考えが甘かったこともありますが、ネットにも明るい話題も多い介護職。
仕事である以上つらい事があるのは仕方ない事なのですが、正直思っていた何倍も辛かったです。
何より新人未経験なのに、1ヶ月そこらでベテランと同様に動き、仕事をこなすように強要されたのは本当に苦痛でした。
それでもまだ言い方を考えて言ってくれたら、もう少し頑張ってみようと前向きに捉える事が出来るのですが、人格の否定こそしなかったものの、常に上からものを言ってくるような状態…。
「お前は人を育てているのか、潰そうとしているのかどっちだ?」
そんな事言える訳もなく、口に出せない言葉を抱えて日々うんざりしながら仕事していました。
仕事ができなくて自分を責めることも…
半分は自分の仕事の未熟さも原因のうちに入っています。
「なぜ自分はこんなに仕事が出来ないのか…?」
「もしかしたら、この仕事は自分に向いていないのだろうか…?」
自分にイライラしながら悩みつづけていました。
万年、人手不足の業界で業務量が多く常に忙しい状態。
だから即戦力が欲しいというのは理解できまが、これが悪循環の原因ではないかと思ってしまいました。
湧き上がる不満と怒り
「じゃあ、あなたは新人未経験で入って短期間でベテラン同様に動けたのか?」
「ベテランと同じ仕事が出来ていたのか?」
逆に問い詰めてやりたいくらい、最初の頃は毎日、毎日イラつきました。
「これじゃあ万年人手不足になるのは当たり前!」
「辞めていく人に問題があるんじゃなく、あんたらが問題の源じゃねーか!
「自分達が、自分で自分の首を締めている自覚ねーのか?」
…と仕事していてイライラしなかった日はないくらいでした。
介護業界の仕事を体験して良かった事
上記のような事ばかりだと、さすがの私だってとっくに辞めていたと思います。
それでも、他の業界には無い良い事や、自分の趣味や特技が業務に役立つ事がある。
これは他業種ではあり得ないこの業界ならではの事だと思います。
お話をする事が仕事になる
町工場での仕事ではあり得ない事ですが、お年寄りの方とお話をする事も大切な仕事。
相手のお話を聞いてコミュニケーションを取る事は、穏やかに過ごしてもらう事に繋がる大事な事なので、こちらも仕事を忘れ楽しみながら話しています。
というか、自分も利用者様の仲間になっている気分です。
身振り手振りを加えて、自分のほうが楽しんでいる状態かもしれませんね。笑
お年寄りの方との会話が大好き
普段から話し方が年寄りくさいうえに、昔から年配の方と話し慣れているせいもあるかと思います。
私自身、同期と楽しく世間話している気分で時間を忘れて話している事が多く、後で仕事が溜まりまくって終業時にヘトヘトに…なんて事も…。
そういう時はちょっと後悔してますね…。
お年寄りの方とお話をするのが好きな方にはとてもいい仕事だと思います。
忙しい仕事で疲れた時の気分転換にもなりますからね。
自分の趣味や特技を活かせる事も…
私は趣味で絵を描いたり簡単な日曜大工などをやっているのですが、そういった特技が業務に役立つ時があります。
少し手先が器用なので、レクリエーションで折り紙をしたり簡単な絵を描いて、それを見本にして皆さんに描いてもらうなどの事に活用していました。
その他、車いすや利用者様の居室の私物も修理した事もあり、とても助かりましたとお礼を言われた事もありました。
表には出しませんが…
「よっしゃー!やったー♪ 私はこういう事が向いているんだ!」
「他の誰にも、上司ですら出来ない事をやってみせた!」
…という気分になり、自分の中で自画自賛しています。
こういうのは、他の職種・業種ではあり得ない介護職ならではの良い事だと思っています。
40代でリストラ寸前から転職した介護業界ですが…
収入が大幅に減り続け、リストラ寸前の状態から転職して約2年。
介護の仕事は他の人におすすめ出来るか?と聞かれると、正直おすすめできないと思います。
おすすめできない理由
理由としては以下の4つ。
・かなりのストレス耐性が必要
・新人未経験には理不尽とも思える圧力
・変な派閥ができやすい
・低賃金の割に多忙&大きな責任
かなりのストレス耐性が必要
すべての利用者様が物腰柔らかく穏やかではないので、時には高圧的で頑固な方もいます。
そんな方を相手にする時に、いちいち腹を立てていると心身ともに疲れてしまい折れてしまう事もあります。
そういった事に対して軽く受け流しを出来るメンタルというのが必要なので、そういうのが苦手だったり生理的に受け付けない方にはおすすめできません。
新人未経験には理不尽とも思える圧力
この業界に入ったばかりの新人で未経験なのにも関わらず、初期のうちからベテランと同じ事を強要する人が少なくありません。
誰しも最初は出来ないのが当たり前。
今ベテランであるその人だって、最初から全て完璧に出来ていたわけではないですからね。
そういった過去の自分の事を忘れ、今の自分と同じ事が同じように出来て当たり前なんて思っている方の相手をするのは正直疲れます。
変な派閥ができやすい
この業界は、女性が多いせいもあって、変な派閥(集まり)が出来る事が多いです。
数人集まって他の職員の陰口や悪口を言ったり…など。
多分、私の事も言われていると思います(笑)
大抵はどこにも属さなかった人がターゲットにされますからね…。
低賃金の割に多忙&大きな責任
介護の仕事は利用者様の健康と安全・生命を預かる責任の大きい仕事ですが、他の職種・業種と比べて給料が安いです。
ぶっちゃけ今の給料では、ギリギリ借金無しで生活していける収入しかないです。
会社によっては賞与無し・退職金無しなんて会社も珍しくないです。
それなのにやるべき仕事・業務量はかなりの量なので正直割りに合わないと感じる方のほうが多いと思います。
介護の仕事が向いている人・向いてない人
他の職種・業種でも言える事ですが、仕事には人それぞれ向き不向きがあります。
この介護という仕事も例外ではなく、向いている人にとっては天職で向いてない人にはストレスと苦痛でしかない。
個人的には向いてない人の割合が特に高い仕事だと思っております。
介護は世間で言う3K(きつい・汚い・危険)の仕事
介護は3K(きつい・汚い・危険)の仕事に該当しており、離職率も一般の仕事よりも高く常に人手不足の状態。
一般の方からは転職先の候補に入る事は少ないでしょう。
ですが、向いている人にとってはまさに天職とも言える仕事だと言えます。
世話好きな方なんかに好まれると思います。
正直私は、この仕事に向いているかどうかと聞かれると…
本音を言えば向いてないと思っています。
自分の趣味・特技を活かせるこの仕事はやっていて楽しく感じる事もありますが、
自分にとって天職だとは思えないです。
とはいえ介護の仕事にはメリットがある
それでも、本当にこの仕事が好きな方には
・将来性がある
・仕事が無くなる事がない
・得た知識やスキルは一生使える
仕事だと思うので、興味がある方は一度挑戦してみてもいいと思います。
40代から介護士に転職してみた感想
まとめとして…
この業界の良い所・悪い所をいろいろ書いてきましたが、仕事である以上良い事もあれば悪い事もある。
それは全ての仕事にあてはまる事なので、そんな中で自分の出来る事を最大限活かしていく事が大切です。
介護という業界は最初が難関
介護の仕事は疲労&ストレスが溜まるので、時には弱音をはく事だってあると思います。
職業病とも言える腰痛に悩まされる事もあります。
向き不向きの影響が大きく、誰にでもおすすめ出来る仕事とは言えませんが、気になっているのであれば挑戦する事だけはおすすめします。
やってみない事にはわからない事だってあるでしょう。
もしかしたら、天職になりうるかもしれません。
この仕事で得られる知識・スキルは一生使えるモノ
会社に所属していないと何の役にも立たない技術とは違い、将来の自分にも自分の家族にも役立つ技術です。
私自身、まだまだ経験が浅いのでこの仕事の本当の良さにまだ気づいてないだけかもしれません。
これからも、自分の出来る事を精一杯頑張っていこうと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。