介護職に若い人はつかない方が良い?新卒で就職してギャップに驚いた

介護職に若い人はつかない方が良い?新卒で就職してギャップに驚いた

今から8年ほど前に業界での就職を目指し、福祉系の大学に入学。

 

それから新卒で介護の仕事についていろんな福祉現場を経て、今は入所系の介護施設で生活相談員兼介護職をしております。

 

介護の仕事に若い人がつく事自体は素晴らしいこと。

 

しかし、最初の自分がそうだったように、思い描いているイメージとのギャップは想像以上だと思います。

 

この記事では、これから介護の仕事をしてみたいと考えている若い方に読んで頂きたいです。

介護職へ若いころについた率直な感想

大学を卒業し初めて就職した先は、介護付き有料老人ホームでした。

 

仕事を始める前は、沢山の人の役に立てるように頑張ろう!

 

おじいちゃんおばあちゃんと穏やかな毎日を過ごす仕事を楽しもう!という理想を持っていました。

 

しかし、実際に就職してみるとその理想は一瞬で消え去ってしまいます。

勉強と現場は全くの別物

とはいえ、初めて現場に出たわけではなく、大学の実習で経験もしています。

 

ですが、実習中だからと様々な事を配慮して頂いていたことを知りました。

 

「あの時勉強したのはごく一部のことだったんだ…」

 

その時は身体的な介護がほとんどなく、基本的には利用者様とのコミュニケーションだったので。

 

しかも比較的話しやすくて、優しい方を選んで頂いていました。

現実は甘くなかった

何より身体的なしんどさだけではなく、精神的にしんどいと感じる事の方が多かったのは辛かったです。

 

心身共に疲れて自宅に帰ると、趣味を楽しむ気力すらないくらいに疲れ切っていました。

 

「何のために働いているんだろう?もう辞めたい…」

 

仕事と寝ることしかしない毎日が続きました。

 

社会人になって介護の仕事につけば、自由な時間が増えてやりがいのある毎日が送れる!

 

そう思い描いていた夢は、簡単に消え去ったのです。

若いころに介護職へついたときのスケジュール

新卒で介護職に就職した時は、以下のようなスケジュールでした。

日勤帯

8時半〜出勤

 

申し送りなどを確認し、利用者様の状態を把握します。

 

9時〜11時 入浴介助

 

フロアや居室におられる方の見守り、トイレ誘導、パット交換など。

 

入浴は午前中に多くて8名ほど1人づつ入らないといけないので、時間との戦いでした。

 

12時〜昼食

 

人により食事形態が違うので、間違えないように提供して、お手伝いが必要な方は隣につきます。

 

食事が終わられた方から、対象者には薬を飲んでもらいます。

 

13時〜見守り、各所掃除

 

利用者様はお部屋で休まれたり、フロアにおられたり、自由な時間を過ごされるので、見守りを行いつつ何かあればお手伝いをします。

 

定期的にシーツ交換などもありますので、この時間を利用し各所の掃除をします。

 

15時〜おやつ

 

利用者様に好みの飲み物を確認して準備します。おやつに来られる前はトイレにもお連れします。

 

16時〜17時 見守り、夜間の準備

 

夜に部屋で飲むためのお茶の準備、夕食の準備にとりかかります。

 

18時〜夕食

 

皆様をトイレにお連れした後、夕食の座席にご案内します。

 

お手伝いが必要な方には付き添います。

夜勤帯

19時〜就寝準備

 

一人一人寝る前の準備のお手伝いをします。

 

歯磨き、着替えなど、全利用者様のお手伝いをいないといけないので時間との勝負です。

 

中には、この時間には寝たいというこだわりの方もいらっしゃるので大変でした。

 

21時〜6時ごろ 巡回

 

2時間おきに巡回し、パット交換やトイレのお手伝いをします。

 

起きられる人が少ないと、比較的ゆっくりとした時間になります。

 

7時〜朝食

 

起床介助をした後、朝食の席にご案内します。

 

この時も起きられる時間がバラバラなので、自分の中でスケジュールを組むことが大切です。

介護職に若い人がついたらきっとショックを受ける事

私も最初はそうでしたが、人の役に立ちたい!感謝される仕事をしたい!

 

おそらく、ほとんどの人がそんな気持ちでこの仕事を選んでいるはず。

 

しかし、高齢者の中には攻撃的になられる方もいて、必要な事のお手伝いをしようとしているのに、拒否されることが度々あります。

 

「触らないで!」

 

「邪魔をするな!」

 

迷惑なことをしている訳じゃなく、本当に必要な事をお手伝いしようとしているだけ。

 

実際にこのように心無い罵倒を受けた時には、どうやって仕事したらいいの?と心からショックを受けました。

仕事を続けられないと思うほどの経験も…

それ以上のかなり辛い経験をしたこともあります。

 

例えば、車いすを利用している女性はトイレに行くために必ず介助が必要です。

 

その日は私にトイレの希望を訴えてくれたので、車いすを押して誘導しようとしました。

 

すると…「なんであんたなの?いや!来ないで!」すごい剣幕で言われ、手を叩かれました。

 

この時は凄いショックを受けたことを今でも覚えています。

 

介護の仕事を続ける意味が見出せず、このまま続けられないかもしれないとさえ思いました。

若い時に介護職になって感動した体験

逆にこれ以上ないくらい嬉しい経験をしたこともあります。

 

もちろん優しい方も沢山いるので、いつもニコニコ「ありがとうね」と沢山言ってくださる時も嬉しいです。

 

しかし、担当している利用者様の中でも凄く気難しい方と関わっている時に、その感動は訪れました。

最初の印象は最悪

「この人は昔からこんな人なのかな?どうやって接すればいいのかな」

 

私自身も初めての仕事ではありますが、利用者様も自分達の生活の中に新しい人が入ってくので混乱もあったんだと思います。

 

もちろん頭ではそんな事は分かっているのですが、実際に関わるとなればあまり気分が良いものではありません。

 

だけど、担当なので嫌でも関り続けないといけない…。

 

初めは何を話しかけてもぶっきらぼうにしか返事をしてもらえず。

 

毎日仕事に行くのが凄く億劫で、できれば関わりたくないし、仕事に行きたくないとさえ思うようになりました。

心を開いてくれた瞬間

しかし、約半年後根気よく話しかけているうちに、突然その方から声をかけて頂きました。

 

「あなたも我慢強いな」「毎日頑張ってるな」と。

 

言われた時は本当に嬉しくて、介護の仕事が楽しいって言うのはこのことか!と感動を嚙みしめました。

 

何より嬉しかったのは、そこから心を開いてくれてご自身の事など沢山話してくださるようになった事。

 

他の職員さんからも、本当に気難しい方で心を開かれるにはかなり時間がかかると聞いていただけに、嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。

介護職に若い人がつく事は勧める?

勧められるかどうかは難しいところではあります。

 

しかし、絶対にやめといたほうがいいとも思いません。

 

辛いことも沢山ありますが、楽しいこともあります。

 

昔の事を沢山教えてもらえたり、孫みたいやと可愛がってもらえたり。

 

「あなたの事待ってたのよ、来てくれて良かった」

 

朝出勤した時にこんな温かい言葉をかけてくださる方もいて、とても温かい場所だど感じる時もあります。

 

ただ、しんどいことがあるのも事実なので、合わないと感じれば心身が潰れる前に退職する勇気も必要です。

若い時に介護職についた自分が思う向き不向きは?

大前提として誰かの手助けをしたい、高齢者と関わりたいと思っている人は向いていると思います。

 

また、人と関わる仕事のため、毎日同じことがあるわけではありません。

 

そして何より常に感謝される訳でも、良いことばかりがある訳でもありません。

 

今起っている事に目を向け、臨機応変に対応できる人はこの仕事に向いていると思います。

介護職に向いてないと思う人

誰かの指示がないと動けない、自分でどうしたらいいか考えられない人は向いてないかもしれません。

 

実際に介護の現場に出て、毎日の忙しさを目の当たりにした時にそれを強く感じました。

 

他の職員もいて、みんなで協力しながら仕事をするので、自分一人の責任と気負いすぎることはありません。

 

しかし、一人一人が力を出して協力することが大前提なので、自主的に動けない人は働きにくい職場かもしれません。

身体的な問題があると介護職は難しい

身体面で言うと、腰への負担がとても大きい仕事だと思います。

 

もし腰痛などがあって療養をしたことがある人は、何かのタイミングで再発したりするかもしれません。

 

無理は禁物なので、事前に職場へ相談しておいたほうが良いでしょうが、働くところを考えた方が良いと思います。

介護職に若い人はつかない方が良いとは言わないが…

私の場合は中学生の頃、近所に高齢の方が多く沢山可愛がっていただいた事もあって、高齢者と関わる仕事がしたいと思ったのがこの業界を目指したきっかけでした。

 

しかし、実際に働いてみると理想と現実のギャップに驚く事が沢山。

 

最初のころは「思っていたのと違う…こんなはずじゃなかった」と常に思っていました。

 

毎日の業務は時間との戦いで、ゆっくり関わっている時間がほとんど取れない事が日常です。

初めから理想の働き方は作れない

理想は高齢者の方とゆっくり話をしたりとのんびり急がない毎日を過ごすこと。

 

最初はその理想から大きくかけ離れていましたが、続けていくうちに自分のやりやすい方法が見つかり余裕が出てきました。

 

どの仕事もそうだと思いますが、初めは業務に慣れる事に必死で余裕は持てません。

 

それでも続けていく中で理想に近い時間を作れたり、他の職員と協力して少しずつ理想に近づけるのではないかと思っています。

興味がある人には挑戦してほしい!

楽しい事も辛い事も沢山ありますが、やりがいはとてもある仕事だと思っています。

 

そして、この業界で学んだ事が必ず自分の武器になると思いますし、必ず違う場面でも役に立つ事があります。

 

この記事をキッカケに奥深い介護の世界を、沢山の方に知ってもらいたいです。