介護職の疲れが取れない…倒れながら仕事に通ったリアル体験談
特別養護老人ホームからデイケアに転職した時の話です。
まさか自分が仕事のストレスで倒れるなんて、想像したこともありませんでした。
転職後は毎日お祭り騒ぎのような賑やかさで、家でもレクリエーションやイベントごとで何をしようかとワクワク考えるくらい楽しかったです。
毎日頬が筋肉痛になるくらい笑って帰宅、ストレスもうまく発散できていました。
この記事は今辛くて困っている人や体調を崩し始めてしまっている人。
辞める勇気が出ない人・介護業界に自分は向いてないと思っている人に読んでほしいです。
介護職の疲れが取れない原因は人手不足
体の疲れが取れなかった1番の原因は、人が減ってしまった時に始まった5交代勤務。
早番・日勤1・日勤2・遅番・夜勤がありました。
さらに人間関係もかなり悪くなっていた時期。
あちこち気を使いながら過ごして、毎日違う時間に出勤することは心身への負担が大きすぎました。
こんなのもう無理!
「辛い、苦しい、しんどい・・・」時間に追われて生活をしている感覚。
そんな生活が続きすぎて、介護の仕事どころか生きていくことさえ楽しいと思えなくなっていました。
1日中憂鬱で、毎朝目が覚めるのも起き上がるのもかなりの苦痛。
しかもその苦痛が休日にも同じようにあったので、当時は相当ヤバい状態だったのだと思います。
介護職の疲れが取れないまま仕事を続けた結果
初めて就職した場所で、施設長も主任も社会人デビューしたばかりの私にとても良くして下さいました。
お局によるいじめや仲間外れもありましたが、負けてたまるものか!と思いながら踏ん張ってきた。
憧れの上司も慰めてくれたので、私もあの人みたいになるんだと耐え続けられました。
しかし、私の周りの人がついに耐えられなくなり、辞めていく人も増え続けた結果、人手不足に拍車がかかっていました。
ついに限界…
その頃から少しずつ体に不調が現れ始め、情緒も不安定になりました。
文字通り体を引きずりながら出勤する毎日が続きます。
それでもお世話になった職場のために、毎日仕事へ通いました。
「お願い、私の体うごいて…!」
何日もそんな状態が続いたある日、職場の玄関までなんとかたどり着いた私は、その場で倒れ込んでしまいました。
「無理無理無理!こんなに迷惑かけて、いったいどんな顔すればいいの?恥ずかしすぎる」
恥ずかしさと申し訳なさで現場に行くことができず、その日は欠勤するしかありませんでした。
このままじゃ大変な事になる
その後は体調を整えようと少しお休みを頂いて、広告や無料の冊子で求人を探しましたが、電話をかける勇気も無く困っていました。
泣きつくように以前お世話になった専門学校の先生に相談したところ、近々複数の企業による就職ガイダンスがあるとのこと。
「どんなところか分からないけど、行く流れになっちゃったし・・・」
すこし強制的な流れでしたが、そこへ行ってみることにしたのです。
疲れが取れないまま働いていた介護士がついに!
そこで見た求人は夜勤のない職場。
毎日同じ時間に出勤してさらに日曜日や年末年始も休みという、今では考えられないレベルの好条件でした。
ただ、給料は夜勤がない分低いのがネック。
「それでも、今の状況より悪くなることなんてありえない!」
そう思い転職を強行した結果、リズムがガラッと変わり整いました。
「身体がめちゃめちゃラク!こんなにも違うものなの?」
後にこの給料でも全く問題なく、生活できると気にならなくなりました。
職場の雰囲気が明るくてびっくり!
利用者さんも親と変わらないくらい若い人も多く、とにかく職員と利用者さんが同じくらいすごく楽しそうに活き活きとしていて、同じ介護の世界とは全く思えないほどでした。
「すごい、何ここ?みんなキラキラしてる…」
職員の年齢は20代から70代と幅がありましたが、イベントは高校の学園祭くらいしっかりとみんなで取り組み。
外部から人を読んでのイベントやレクリエーションは利用者さんやご家族からも好評で、リハも看護も栄養士もみんなで考えて行動するのが本当に楽しかったです。
期待以上の職場で、いろいろな職種と深く関わることができたのもとても良い経験になりました。
介護職の転職を勧めるか?
今頑張りすぎていて辛い思いをしているなら、私は転職を勧めたいです。
ただ、周りと比べて自分が頑張りすぎているかどうかが分からないから、みんな悩んでるんですよね。
そんな時は、自分の気持ちに正直になればいいと思います、
もちろん職を点々とすることが良いとは言えませんが、介護の世界はとても広く、場所が違えば介護の対象も環境も内容も大きく変わってきます。
自分にあう職場があるはず
どこに行っても人間関係で悩むことはありますが、それを超えられるくらいの何かに出会えると、ガラッと自分自身が変わりそこに居場所ができます。
自分が転職して救われた人間だからこそ、自身を持ってそれが伝えられます。
是非前向きに考えて実行に移して欲しいです。
転職をした介護士が考えるこの仕事が向いてる人とは?
この仕事に向いていると思うのは、根が優しい人、人を楽しませる・喜ばせるのが好きな人です。
あとは当たり前になっていることに疑問を持てる人。
コミュニケーションが苦手でも問題なし
人が苦手だったりコミュニケーションが苦手だったり…そういう人でも大丈夫。
知らない間に利用者さんがその力を引き出し育ててくれます。
向いていないのは、仕事とプライベートを割り切れない人。
利用者さんも友達ではないので、プロとして接することができない人は向いてないと思います。
疲れが取れないまま働くより転職した方が良かった!
私は転職して本当に心から良かったと感じています。
就職してからずっとその世界しか知らなかったので、新しい施設は本当に衝撃でした。
仕事なのにワクワクが止まらない!
独特の匂いも全くなくて、少し奥では認知症予防に効くとされるアロマすら焚かれている。
夢のような職場
利用者さんが「ちょっと風呂行ってくるわ」と自ら時間を選んで入浴に向かう。
カラオケやボーリング・回転寿司に行く予定をリハスタッフが中心になって多職種と利用者さんとで話し合っている。
それぞれのしたいことに向けて、専門職が知恵を出し合い、目標にして日々のリハビリに組み込む。
一人の利用者さんは仲間を集め、その方たちで準備を行いピアノを弾きながらコーラス隊を指導している。
重度の認知症のある利用者さんが率先して、職員にもハモリのパートを教えている。
もう一人の利用者さんが、同じことを何度も伝えてしまうその利用者さんの要約とフォローをしながらみんなで歌って、職員が音程を外してみんなで笑い転げている。
一方では木を切ってのDIYを元大工の利用者さんが行っている。
今月誕生の人へ向けてのケーキを元パティシエが考えている。
みんながワイワイとしている間にせっせと机を消毒してお茶を配っている利用者さんもいる。
職員は見守りながらも、真剣に利用者さんから教わっている。
介護施設なのにみんなが生き生きとしている、夢みたいな世界があったのかと本当に驚きました。
転職はマイナスなんかじゃない!
それでも、おむつ交換を必要とする利用者さんや、特浴を使用する利用者さんはいらっしゃいます。
ほとんどおむつを替えたことが無くて、特浴も得意ではないという若いスタッフもたくさんいました。
そんな時、特養で磨かれたおむつ交換の技術や、特浴の技術はとても重宝されました。
転職前に当たり前にやっていた技術が喜ばれたのです。
これまでの職場に感謝の思いが生まれた瞬間。
私が頑張ってきた数年が無駄ではなかったのだと思えました。
どんな職場でも学びが財産になる
特養では介護技術を磨き、通所リハビリでは違うことをたくさん学びました。
利用者さんとのコミュニケーション力、企画力や目標の立て方・理想の介護も。
前の職場と新しい職場、どちらもとても貴重な時間だったことは間違いありません。
どちらにも良いところがあり、学べないこともあります。
転職したからこそ、私はとても貴重な学びを得た事に気づきました。
辞める決断も時には大切
私は前職で倒れるまで無理をしたことで、上司を始め多くの人に迷惑をかけてしまいました。
ただ、あの頃は辞めるという決断ができなかったのです。
辞めるという考えが浮かばなかった時点で、ノイローゼ気味だったのかもしれません。
自分に合った仕事を探そう!
今あの時の自分に声をかけるなら、体調に異変を感じた時点で少し現場から離れて、休んだ後に他の施設を見学に行ってみて欲しいと伝えます。
転職は全く恐いことではありません。
中途採用でも歓迎されるでしょう。
新しい環境へ飛び込み、そこでの新たな出会いと学びがあることを楽しみに、一歩を踏み出して欲しいと思います。