介護士も下の世話は苦痛?お金と生活のために我慢を続けたリアルな声

介護士も下の世話は苦痛?お金と生活のために我慢を続けたリアルな声

私が介護業界から退職したのは、2021年12月のことです。

 

在籍中に結婚・出産・育休を挟み、一度は職場復帰しましたが、子育てをしながらの介護の仕事は想像以上に大変でそう長くは続きませんでした。

 

確かに介護の仕事は素晴らしいけど、苦痛で生活の為だけに続けている人もいます。

苦痛な日々はデイサービスでの体験

介護業界で私が務めていたのは、通所系のデイサービス。

 

施設に比べると、送迎付きで食事・入浴なしの比較的要介護認定が軽度の高齢者が利用する所。

 

しかし、毎日50人以上の高齢者のお世話・話し相手をするのは決して楽な仕事ではありませんでした。

 

最後の出勤日には、解放感と達成感しかありません。

 

「やっと終わった」「私は解放されるんだ」

 

安堵の気持ちが心の底から湧き上がってきました。

なによりも早く退職したい

もちろん、通所されている方の中には寂しいと仰られる方。

 

辞めないでと止めに来る方もいらっしゃいましたが、それよりも早く辞めたいという気持ちが何尾も大きかったです。

 

退職日までを指折り数え、あと○日、、と1日1日を過ごしたことを覚えています。

 

私のように仕事を辞めたいけど、子供のために今の仕事を続けるしかない。

 

長く務めているから辞めにくいと感じている方の背中を一歩押すことができれば幸いです。

介護士も下の世話は苦痛?毎日の苦痛に退職を決意

デイサービスで務めて1番辛かったのは、やはり排泄介助。

 

特に便失禁の時は、苦痛で苦痛でたまりませんでした。

 

排泄障害がある方は多くはいませんでしたが、やはり高齢者ということもあり、失禁される方がどうしても一定数いるのが現状。

 

私の勤務先では男性社員が2人しかおらず、且つ人手不足だったので男性が失禁している場合でもほとんど私が対応していました。

なんで私ばかり…

他の職員も手が空いていても排泄介助を嫌がるので「○○さんが失禁してるみたいです」と伝えるだけで介助に入るのはいつも私。

 

狭い暑い個室で臭い匂いも充満する中オムツを変えたり、着替えさせたりするのは本当に苦痛。

 

「何かの罰なのか…?なんで私がいつもやらなきゃならないんだ…子どものオムツ替えだけで十分だ!」

 

排泄介助の他にも、クレーマーの利用者のご機嫌取り。

 

気の強いCMにガミガミ言われる責任を、勤務歴が長いという理由だけで擦りつけられる。

 

こんな毎日を過ごして、ついにストレスが限界に達した私は退職を決意しました。

介護士は下の世話を苦痛に思いながら

実際に退職したのは 2021年12月ですが、退職を考えていたのは3年も前のこと。

 

当時上司に退職の意向を伝えると「人が少ないから、今退職するのは困る」と一言。

 

私もタイミングが悪かったかなと考えてしまい、結局退職の話は先延ばしになってしまいました。

 

それから妊娠が発覚し、辞めるには絶好のチャンス!と思いきや…。

 

現実的に育児休業給付金制度や生活費のやりくりを考え、退職はせず止むを得ず産休育休を取る事を選びました。

また同じ苦痛に逆戻り

今考えると本当に時間が勿体なかったと思いますが、ずるずる退職を先延ばし。

 

育休明けには新型コロナウィルスの影響もあり、転職のリスクが高くなっていたので結局慣れている前の職場へ復帰しました。

 

復帰後は人の入れ替わりもあり一緒に働いていた人たちはほとんどいなくなっていましたが、私のやることは変わりませんでした。

育児と介護に追われる日々に限界が来る

復帰後半年ほど働きましたが、毎日の子育てと介護の仕事で時間に追われる日々に嫌気がさし、本気で退職したいと上司へ伝えました。

 

中々辞めたいと思っていてもそれを上司に伝えられず、モヤモヤした状態が続く毎日。

 

必死で退職の話を伝えて、承諾された時はとても嬉しくて心が少し晴れたように感じました。

 

とはいえ、まだ退職まで3ヶ月以上もあり、退職日を迎えるまでは非常に長く感じたのも事実。

 

少しでも気を紛らわそうと思い、次の仕事で何をするか考える時間を増やすことに。

 

転職サイトをみたり、求人誌を見たりとその時間はとても有意義な時間でした。

ライフスタイルに合った職場を選択

ギリギリ正社員での転職も無理ではない年齢。

 

しかし、もう時間に追われて心が擦り切れるような働き方はしたくないと、パート勤務を選びました。

 

ネットで求人を探して週3日〜勤務可のデスクワークに絞って何社か応募。

 

正社員での転職ではないので、面接もzoomを使って行う1回の面接。

 

「では来月からお願いします」という感じで割と時間を掛けずに決まりました。

介護職を退職してみた結果

介護業界を退職し、パートになって1番変わったのは自分の時間を作れるようになったことです。

 

以前は一日中動いて介助をしたり、立ち仕事をしていたせいで、夜も疲れ切って子供と一緒に寝落ちする毎日でした。

 

しかし、今はデスクワークでほぼ座ったままパソコンや資料に目を通しているだけなので、肉体的な疲労はほとんどありません。

 

家についてからも、「よーし!○時までに家事を終わらせるぞーっ」と家事や子供と遊ぶ余力も残すことができています。

自分の時間があることの大切さ

体力的にも余裕があるので、夜も子どもを寝かせた後に自分の時間を作ることができるようになりました。

 

好きな映画を見たり、副業を始めてみたりと、今まででは興味を持てなかったことにも関心が湧いてくるようになりました。

 

自分の時間を作ることができるだけで、気持ちも明るくなりますし、仕事と育児に追われるだけの日々から解放された実感が持てています。

 

この部分は退職後、期待以上に退職した恩恵を受けられているように感じている部分で、退職してよかったなあと思っています。

介護士は退職を前向きに検討するべき

私のように惰性で介護の仕事を続けていて、仕事を辞めたいけど子供のために今の仕事を続けるしかない。

 

長く務めているから辞めにくいと感じている方がいたら、退職という選択もあっていいですよと背中を押してあげたいです。

 

介護業界の仕事は思っている以上に肉体労働ですし、大変な職場環境が多いと思います。

 

そういう職場で働いている人は、真面目な人が多くてついつい頑張ってしまう人が多いと思います。

退職を1つの選択肢

でも、そこで無理して働き続けて体を壊してしまったり、過剰な残業などで自らを追い込んで自分の人生を棒に振ってしまっては勿体ないです。

 

退職することで、本当にやりたいことが見つかるかもしれませんし、自分に余裕ができるので新しいことにも挑戦できるようになるかもしれません。

 

退職することを逃げていることだと思わずに、一つの前向きな選択だと思って勇気を出して欲しいです。

退職した介護士が考える介護が向いてる人

介護の仕事は、とにかく人と接する仕事なので、困っている人の役に立ちたい。

 

人の面倒見が良いとか、見返りを求めずに人助けができるような人が本当に向いていると思います。

 

もちろん、本当にそういった気持ちを持ってお仕事をされている方もいらっしゃると思います。

介護は感謝を感じられる仕事

介護の仕事でのやりがいは、直接感謝の言葉を掛けていただけることだと思っています。

 

そこにやりがいを感じ、仕事を頑張ることができている方も多いと思います。

 

もっともっと還元したいと思えるのであれば、やりがいのあるいい仕事をしていると自然に感じられると思います。

 

介護の仕事は素敵ですが、私には向いていなかったようです。

介護士は退職して毎日が充実した

私は介護業界から退職して本当に良かったと心から思っています。

 

何よりも自分が今まで仕事で犠牲にしてきた家族との時間や、自分の好きなことをやる時間を作れるようになりました。

 

もちろん正社員からパートになったからという事もありますが、結果的に退職するだけで毎日の充実度が180度変わりました。

自分のサインに気付くことが大切

介護業界に限らず、退職することはあまりよくないイメージを持っている方が多いかもしれません。

 

しかし、今の仕事が辛い、きつい、もう行きたくないと感じているのであれば、それは、その仕事や職場が自分に合っていないサインだと思います。

 

自分で解決できることでないのであれば、一旦退職するという選択をしても良いでしょう。

 

きっと、もっと明るい次の道が開けると思います。