介護職員同士のいじめ?転職2日目から1人で仕事!【リアル体験談】

介護職員同士のいじめ?転職2日目から1人で仕事!【リアル体験談】

約10年前に介護老人保健施設から通所介護へ転職した時の話をさせて頂きます。

 

当時は「これがいじめか?」と思うような経験を何度もしました。

この記事をどんでもらいたい人

転職を希望されている方に読んで欲しいです。

 

現在も介護業界は人手不足が深刻な状態。

 

楽しい事が待っているかもしれませんが、厳しく辛い事も待っている事もある。

 

無理をせずに1つ1つ自分のペースで頑張ることの大切さをお伝えできれば幸いです。

介護職員同士のいじめを経験する前は…

転職前は介護老人保健施設のCWで早番・日勤・遅番・夜勤の4交代制の業務を行っておりました。

 

夜勤業務時に仮眠時間は2時間ありましたが、夜勤明けの朝方に気持ち悪く体調不良になってしまう事が多かったです。

 

理由は徘徊利用者の対応や頻回に夜間トイレへ行く利用者様が多くいたので、全く寝ない状態で業務を行っていたこと。

 

「なんでこんなことになるんだろう…」と思いながら、何とか働き続けました。

明らかな過労で体調不良もしばしば…

特に夜勤の場合には代行職員を立てられないので、早朝には体調が悪い状態で起床介助等を行っていました。

 

自宅に帰宅したらすぐに薬を飲み、それでも体調が悪ければ病院に行く体調管理をしながらの生活。

 

しかも、夜勤明けの休みや休日でも欠勤が出た場合には、相談ではなく出勤要請の電話。

 

職場から電話がかかった瞬間、どんな状態でも仕事に行かないといけない緊張感。

 

「もうやってられない、絶対嫌だ」

 

休みの日でも身も心も休まることの無い日常で、精神的なストレスは限界。

 

夜勤がなくてスキルアップ出来る職場へ転職しようと、必死で考え続けました。

選んだのは通所介護

「どの様に在宅で利用者様が生活しているのか?」

 

「介護する家族はどのような悩みを抱えているのか?」

 

施設では絶対にできなかった勉強がしたいと思い、通所介護で働くことを決意しました。

 

「絶対やってやる。福祉のプロになってやる」

 

そう意気込んで生活相談員として、他にも相談員が2名いる現在の職場へ。

 

1日目に通所介護の生活相談員としての全体的な業務を先輩相談員に教えてもらいました。

介護職員同士のいじめ?2日目から急展開

「こんなに仕事量が多いのか…早く内容を覚えないと」

 

今までとは全く違う仕事の流れに、焦りの気持ちすら抱いていた初日。

 

仕事が終わった後に驚愕の一言を告げられます。

 

「明日は貴方1人しか生活相談員いないから、ミスせずにパート介護職員へ指示を出して」

 

「居宅支援事業所から電話があった場合は、伝達内容を記載し次に繋がる対応をして下さい」

 

あまりに驚きすぎて、耳を疑いました。

 

誰が考えても分かるだろ!この人の考えを止める人はいなかったのか?

 

「入職2日目でいきなり1人で仕事をするなんて無理です!」

 

必死で伝えましたが受け入れてもらえず…これが新人いじめなのか?と頭の中で考え続けました。

2日目は本当に1人で仕事

そして次の日、自分以外の相談員は本当に誰一人出勤していません。

 

前日に聞いた内容だけでは、パートの介護職員へ指示出しなど出来る訳も無く…。

 

「とにかく、今日は利用者が安全に過ごしてもらえる事だけを考えよう」

 

とにかく1日を安全に終わらせることだけを目標に、自分を奮い立たせて仕事に臨みました。

とはいえ、右も左も分からず…

気持ちは前向きでも、昨日働き始めた職場のことなんて分からず、時間が経つほどパニックになっていきます。

 

「もう何がなんだか分からない…間違っていたらご利用者、家族、先輩生活相談員に迷惑がかかる…」

 

利用者様の顔と名前も一致していないのに記録業務も膨大にあり、パート職員に残業をお願いして確認しながら記録。

 

居宅支援事業所からの電話連絡は、担当者が休日なので翌日電話を依頼して難を逃れました。

 

帰宅後は知恵熱なのか頭痛があり直ぐに寝た記憶があります。

いじめのような行動は続き…

3日目からもほとんどの仕事を1人で担当していました。

 

先輩職員に「細かい部分の仕事が聞きたい」とお願いしても、教えてもらえることはありませんでした。

 

「もう言ってる内容なのに、あなたは何で覚えられないの?」という一方的な発言ばかり。

 

「この人に関わりたくない」

 

他の人に教えてもらいたい」

 

毎日、毎日嘆くような思いで仕事に通いました。

介護職員同士のいじめがある所でもやりがいはあった!

毎日辛いことも続きました、自分が選んで入った職場だけにやりがいも多くありました。

 

「施設の利用者様は在宅からどの様な経緯で入所されたのか?」

 

「介護支援専門員はどの様なアプローチをして施設希望や入所されているのか?」

 

今までは施設ケアマネとあまり接点を持ったことが無かったので、新しい視点が増え続ける毎日。

 

以前と比べてより生活に近い場所で働くようになり、制度など色々な事に疑問も持ち始めました。

 

「きっと、今疑問に思っていることを学ぶことはステップアップにも繋がる!」

この転職がきっかけで…

小さな疑問から生まれた探求心で、介護支援専門員の勉強を始める事を決意しました。

 

介護保険法・利用者・家族・在宅介護サービス・介護支援専門員としての関わり方。

 

それは、施設職員だった私にとって経験が無く新鮮な知識。

 

「これは将来必ず役に立つぞ!」

 

合格出来たら居宅介護支援事業所へ転職しようという新しい目標も胸に、毎日の勉強に取り組みました。

無事に合格したのに退職でトラブル

毎日コツコツ勉強を続けた甲斐もあって、やっとの思いでケアマネに合格。

 

意気揚々と施設の事務長に退職したいと伝えましたが、そうすんなりと受け入れてくれるような甘い職場ではありませんでした。

 

「こんな人手不足の時に何を言っているんだ!」

 

「これからうちの施設でケアマネへ転向して業務することは考えられないのか?」

 

しかし、その転向の時期について聞くと事務長は押し黙りました。

 

「特にお考えが無いようなら、私自身の将来的なビジョンも明確にあるので退職します!」

 

半ば喧嘩ごしになりましたが、なんとか退職届が受理されたのを覚えています。

介護職員同士のいじめを乗り越えて得られたこと

まず介護老人保健施設から通所介護へ転職をしたことで、福祉・介護の知識不足を痛感しました。

 

「在宅ケアは介護保険の事を覚えないと仕事が出来ない…」

 

普通のデイサービスであれば、そこまでの気づきは無かったかもしれません。

 

しかし、私が就職したのは地域包括センターを併設している通所介護。

 

それが原因で様々な職種の方と交流する機会があったことが大きな要因になったと思います。

仕事にやりがいを感じるようになった

もちろん、施設の時も看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など。

 

多職種も一緒に仕事をしていましたが、詳細不明な部分が多かったです。

 

通所介護の生活相談員を始めて、どの様に多職種連携を深めて利用者が安全に在宅で生活出来るのか?

 

それを最優先に考えられる様になったことが、私の中で最も意識改革をした所だと思っています。

 

「これからはさらにこの業界で仕事が出来る」

 

資格を取り転職をしたことで、さらに道が広がって前向きな気持ちになりました。

実際に働いてみないと分からないことばかり

通所介護の生活相談員とは、夜勤がない職員でレクリエーションや食事の支援が中心だろうと想像をしていました。

 

しかし、実際の仕事内容はパート介護職員への指示・シフトの調整。

 

担当者会議・介護支援専門員と利用者の利用日調整・実績請求がメイン。

 

「初めてやる仕事ばかり…実績請求って計算だけど苦手なんだよなぁ」

 

最初はそんな気持ちでしたが、後から必要になる仕事だったので今となれば良い経験でした。

一番苦労したのは電話対応

介護支援専門員へ電話する際に、相手側から利用者の単位数の話などが多くありました。

 

本などで学んでいたのに、咄嗟に聞かれると答えることができず。

 

電話を切った後に、介護支援専門員の参考書に単位数の事が書いてあったな…

 

何度心で自問自答したか分からないほど葛藤しました。

介護士の転職で通所介護を10年した結果

結局、通所介護の相談員は約10年間やらせて頂きました。

 

転職した当初は仕事量が多すぎて絶望感しか無かった業務。

 

自分でノートを作り、少しずつ担当地域の事や利用者のADL・現在の生活状況を理解。

 

3年間のツライ下積みはありましたが、転職が成功だった事を強くかみ締めました。

 

なにより通所介護は、介護施設と比べると多くの出会いやスキルアップが待っています。

 

そんな仕事を10年やってきたからこそ、施設ではなく通所介護で働く事を他人に勧めたいと思いました。

かけがえのない出会いもあった

さらにこんな出会いもしました。

 

自宅で引きこもりのAさんの娘さんが映画監督。

 

娘さんからの提案で、引きこもりのAさんを通所介護に利用させて欲しい。

 

その過程をドキュメント映画にして、本人にも見せたいので協力して欲しいと相談がありました。

 

最終的にAさんは自宅から外へ出て通所介護を利用してくれることに。

 

「なんでずっと家にいたのか分からない、ありがとう」

 

多職種連携やデイサービス利用者様等の力を貸して頂きながら、一人の人生を変えることができました。

出会いが人と人をつなぐ

東日本大震災の際は通所介護を利用していた方が自宅へ帰宅出来ず、市ケアプラザに泊まって頂きました。

 

我々職員は地域の方と、近隣のパトロールをして安全を呼び掛けておりました。

 

この経験から、地域の方とさらに密になり団結できた事やその後も「あそこで高齢者が体調悪くしているよ」等の連絡が多く入る様になりました。

介護士の転職体験から思う仕事が向いてる人・向いてない人

まずこの仕事が向いている人は2つあります。

1.対人援助職なので、高齢者の気持ちが分かりサポート出来る方

疾患を持たれた高齢者を支援する為には、利用者の情報収集。

 

今後の生活を模索して既往歴を知った上で、気持ちに寄り添いながら利用者本位でのサービス提供出来る方が望ましいです。

 

高齢者は1人じゃないという感情が、孤独感や認知症予防に繋がります。

 

疾患の影響で出来なくなったという辛さを応援し、再生した時は一緒に喜びを分かち合う事が出来れば最高です。

2.スキルアップが出来る方

介護福祉士等の国家資格・研修の参加・SNSで介護について調べスキルアップに繋げている方が多くいます。

 

私自身は、認知症高齢者の対応方法や腰痛予防の介助技術。

 

介護保険制度など数多く学びたい知識があった為に介護福祉士、介護支援専門員を取得しました。

 

それによって新しい自信が生まれ、実際の現場でその技術に満足頂いた方から感謝の言葉を頂く事は、心から嬉しいと思える経験でした。

逆にこの仕事が向いていない方の3つ

介護者本位のサービスで行ってしまう。自分本位でサービス提供を行ってしまう方です。

 

(例えば、食事途中の方に食べるのが遅いから勝手に食器を片付けてしまう。)

 

他職員が、Aさんの介助方法について教えて下さいと助言を求めた際。

 

「この人、これ出来ないから」等、介助者が決めつけのサービスをしてしまうと苦情に繋がってしまいます。

2.感謝の気持ちがなく高齢者を罵倒したりして寄り添いが出来ない方

介護施設在籍時、職員が認知症高齢者を殴ってしまうというケースに関わりました。

 

その職員は、認知症高齢者が俺を殴ってきたから殴り返したと言っていました。

 

結果、退職を余儀なくされました。

 

この仕事に向いている方だったら、殴られたら殴り返すのでは無く、何故殴ってきたのかの原因や対策を紐解いていく事に専念するでしょう。

3.消極的な方

疾患を持たれている高齢者は、身体が不自由になり自信を無くされている方が多くいます。

 

消極的な職員だと物事をネガティブに考える傾向にあるので、この仕事は厳しいと感じております。

介護士の転職体験で人生は豊かに!

私自身は、施設職員からデイサービスの生活相談員への転職は成功です。

 

転職当初は、辛いことが多く退職したいという願望がありました。

 

しかし、利用者・職員の支え・忍耐力が付き長期に渡り仕事を行えたと感じております。

 

理想と現実は違うと思います。

 

転職後の現実を受け止めて継続する事が出来れば、自分が理想としていた仕事が叶うと思いました。